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「洋服の墓場」が生み出す環境被害とは〜売れ残った服の行方と人ができること 〜

こんにちは!JAVOメディアライターのナラパレッディです。今年の5月からライター活動を始めました。まだまだ勉強中ですが、日々精一杯頑張いきますので、これからどうぞよろしくお願いします!

この記事では、ファッション業界の裏側に潜む環境問題、通称「洋服の墓場」について掘り下げていきます。なぜそんな場所が生まれてしまったのか? どのような被害をもたらしているのか? そして、私たちにできることはあるのかを一緒に考えていきましょう。

 

はじめに

皆さんは「洋服の墓場」という言葉を聞いたことがありますか?

これは、世界中のアパレルブランドで売れ残った洋服や不要となった古着が、大量に南米チリのアタカマ砂漠へ捨てられているという現象を表す言葉です。チリ北部、アンデス山脈に沿って南北におよそ1,000km広がるアタカマ砂漠には、推定40,000トン以上の衣類が不法投棄されています。

この現実は、華やかに見えるファッション業界の裏で、大量生産・大量廃棄が常態化している証とも言えるでしょう。

 

なぜ「洋服の墓場」は生まれてしまったのか?

アタカマ砂漠に積み上がる服の山には、スペインの「ZARA」や中国の「SHEIN」など、世界的に有名なファストファッションブランドの商品も多数含まれています。

地元NGO「洋服を着た砂漠」の共同設立者、ジャンカルラ・サンブラーナさん(31)はこう語ります。

「2022年時点で、砂漠に投棄されていた服は推定4万トン。不要になった服が、世界中からここに送られてくる。」

朝日新聞の河崎優子記者が現地を訪れた際の報告では、洋服や靴、バッグが風にさらされ、焼却された衣類から発生した黒い灰が舞い、プラスチックの焦げたような臭いがあたり一面に漂っていたといいます。

このような「洋服の墓場」は、なぜ生まれてしまったのでしょうか?

その背景には、ファストファッションのビジネスモデルがあります。

ファストファッションとは、「トレンドをすばやく取り入れた洋服を低価格で大量生産・販売する」スタイルです。数週間ごとに新作が登場し、「安くて今っぽい服」が手軽に手に入ることで、私たち消費者の購買サイクルも加速していきました。

しかし、安価で供給される服の多くは、すぐに飽きられ、使い捨てられてしまいます。

調査によると、購入された服の約6割が1年以内に捨てられているというデータもあります。こうした衣類の多くは、「リサイクルされる」「再利用される」として発展途上国へ輸出されますが、実際には現地の需要を超え、最終的に埋立地や砂漠に捨てられるケースが多いのです。

つまり、「再利用されるはずだった古着」が、「ごみ」としてチリに送られている、これが「洋服の墓場」の実態です。

 

「洋服の墓場」が生み出す被害とは

砂漠に投棄された衣類の一部は、その場で焼却処分されています。これがさらに深刻な環境汚染を引き起こしているのです。

■ 衣類の焼却で発生する有害物質

衣類の焼却により発生する主な有害物質は以下の通りです:

  • 一酸化炭素(CO)
  • 二酸化炭素(CO₂)
  • ホルムアルデヒド
  • シアン化水素
  • ダイオキシン類など

特に一酸化炭素は、無色無臭で極めて毒性が強く、不完全燃焼時に発生しやすい物質です。高濃度の一酸化炭素を吸い込むと、一酸化炭素中毒を引き起こし、最悪の場合は死に至ることもあります。

■ 生態系への影響

こうした有害物質は砂漠に生息する動植物にも深刻な影響を与えます。

繊維を誤って摂取した動物が内臓を傷つけられたり、生息地が衣類で覆われることで住処を失ったりするケースも。植物も同様に、繊維の蓄積や有害物質により成長が阻害され、地域の生態系そのものが破壊される可能性があります。

環境への影響にとどまらず、人間の健康にも被害は及んでいます。

焼却時に発生する微粒子や化学物質が大気中に拡散されることで、周辺住民に喘息や気管支炎、肺炎などの呼吸器疾患を引き起こすことが確認されています。特に免疫力の弱い子どもや高齢者にとっては深刻な問題です。

さらに、「洋服の墓場」は単なる環境問題にとどまらず、社会の倫理や企業の責任、そして私たち消費者の意識を問う問題でもあります。

 

サステナブルファッションとは?

では、私たちはこの問題に対して何ができるのでしょうか?

その答えの一つが「サステナブルファッション(持続可能なファッション)」だと私は考えます。これは、衣類の製造から消費、廃棄まで、環境や社会に配慮した方法で行うファッションのあり方を指します。

サステナブルな選択肢の例

  • オーガニックコットンやリサイクル素材を使った商品を選ぶ
  • フェアトレード製品を意識する
  • 地元で生産された衣類を購入する(地産地消)
  • サステナブルな取り組みをするブランドを選ぶ
  • 近年では、アパレル業界全体でもサステナブルな取り組みが少しずつ進み始めています。たとえば、H&Mやユニクロなど大手ブランドでは、古着回収ボックスの設置や、再生素材を使った商品展開が始まっています。また、地域によっては、自治体が主導して不要な衣類のリサイクルキャンペーンを行うなど、循環型の仕組み作りも注目されています。

さらに、一部のスタートアップ企業では「サブスクリプション型の衣類レンタルサービス」や「AIによる最適な在庫管理」を導入することで、過剰生産そのものを減らす仕組みを模索中です。

つまり、私たち消費者が正しい選択をすることで、企業側も「サステナブルであること」に価値を見出し、より良い方向にビジネスモデルを転換していく可能性があるのです。

 

「洋服の墓場」をつくらないために私たちにできること

① 買う前に立ち止まって考える

「それ、本当に必要?」と自問自答するだけで、無駄な消費を抑えられます。

② 長く使える服を選ぶ

流行よりも、素材・縫製・着心地を重視した一着を選びましょう。

③ 修理して使う

壊れたボタンやほつれた袖は、自分で直したり、お直しサービスを利用して再活用しましょう。

④ 友人や家族とシェア・交換する

クローゼットに眠っている服が、誰かの「お気に入り」になるかもしれません!

⑤ リユース・リサイクルに出す

回収ボックスや古着回収サービスを活用し、廃棄せず再活用の道を選びましょう。

 

まとめ

私は、ファッションとは単なる「衣服」ではなく、私たちの個性や価値観、そして感情を自由に表現できる大切な手段であり、生活に彩りや喜びを与えてくれる楽しみの一つだと考えています。お気に入りの洋服を着るだけで、気分が明るくなったり、自信を持てたりするようにファッションは私たちの日常に密接に寄り添っています。

しかしその一方で、私たちが普段何気なく楽しんでいるファッションの裏側には、大量生産・大量消費によって生まれる環境破壊や労働搾取といった、深刻な社会問題が隠されていることもまた事実です。だからこそ今、私たちには「ファッションを楽しむ自由」と同時に、「選ぶ責任」も求められています。

サステナブルファッションとは、環境や人に優しい選択をしながら、自分らしさを表現していく新しいファッションのあり方です。それは決して“おしゃれを我慢する”という意味ではありません。むしろ、より深くファッションと向き合い、心から納得できる一着を選ぶことこそが、本当の豊かさではないかと私は思います。

これからは未来の地球を想った優しいファッションを選んでいきませんか?

ボランティア証明書の発行はコチラ【ボランティア証明書発行(全NPO対応) | NPO法人JAPANボランティア協会 (javo.or.jp)

参照サイト

https://go2senkyo.com/seijika/40593/posts/1112106

https://www.asahi.com/sp/articles/AST5N6GN6T5NUHBI01YM.html?iref=spranking_dailyrank08

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