ボランティア×デジタル化! ~NFTの可能性~
こんにちは。ボランティアライターの小松です。皆さんは「ボランティア」と「デジタル化」について考えたことはありますか?一見、これらは無関係に思えるかもしれませんが、実はボランティアとデジタル化は良い相性があることが分かりました。
今回はそんなボランティア活動の課題とそれを解決するためのNFTという新しい取り組みについてお話します。
1.ボランティアの課題
ボランティア活動は地域社会において非常に重要な役割を果たしています。自然保護や障がい者支援、地域の治安維持など多岐にわたる分野でボランティアは欠かせない存在です。しかし、近年この活動は危機に瀕しています。資金不足という問題はありますが、同様に深刻なのは人手不足です。NPO法人や地域団体では、高齢化が進む中で若い世代の参加が減少しており、全国的な課題となっています。特に参加しない要因の一つとして興味が無いという課題があります。
ボランティア証明書には、いくつかの課題があります。従来のボランティア証明書は紙で発行されることが多く、その管理が難しい場合があります。紛失や劣化が進んでしまうと、証明書としての有効性が失われてしまいます。また、会社から評価のために「ボランティア証明を提出してください」と求められた際、自宅に証明書を置いてきてしまった場合、せっかくのボランティア活動が評価されないことにも繋がります。さらに、紙の証明書は偽造や改ざんが比較的容易であり、その信頼性に疑問が生じることもあります。加えて、証明書を確認する側にとっても、紙の証明書の事実確認を一つひとつ確認するには時間がかかり、効率的ではありません。このような点が、従来のボランティア証明書における大きな課題となっています。
ここまでと課題を述べてきてしまいましたが、ここからが本題です!
このような課題を解決できるのが、デジタル技術「NFT」というものです!
UnsplashのViktor Forgacsが撮影した写真
2.ボランティアとデジタル化って何?
ボランティアとデジタル化は一見、程遠いものに見えるかもしれません。実際、わたしも今回、体験するまでそう思っていました。しかし今回、神奈川県と湘南ビジョン研究所、JAPANボランティア協会、株式会社デジタルガレージ、湘南ウキブイの連携で行われた、「NFTを活用した海岸清掃ボランティアの実証事業「湘南ビーチクリーンアクション」」で湘南ビジョン研究主催の11月9日、「ビーチクリーン&イルカサンドアートづくり」に参加し、その考えは変わりました。この実証実験はビーチクリーンとイルカサンドアートづくり活動に参加するとその証明としてNFTが配布されるというものです。
3.NFT(非代替性トークン)ってなに?
NFTは非代替性トークンの意味で、ブロックチェーンという技術を活用したデジタル資産です。特徴はブロックチェーン技術を基盤としたデジタル資産であり、一度発行されると改ざんや偽造が極めて困難です。実際の用途としてはアートや不動産など幅広い分野で高い信頼性を買われ証明として使われています。つまり、この技術を活用することで、ボランティア活動の証明書として信頼性の高いデジタル証明を提供できるのです。
今回の実証実験ではCallback※というアプリケーションを使いNFTでのボランティア証明の記録を行いました。参加者側の記録方法は簡単です。QRコードをかざすだけで完了。
するとアプリのホーム画面には湘南ビジョン研究所のボランティアに参加したという証明NFT(アプリアイコンのような画像)がゲットできます。さらにはその画像をタップすると、ビーチクリーンとイルカサンドアートづくりを行ったと書かれていて、いつ何を行ったかが分かるようになっています。
今回イルカサンドアートづくりで作ったイルカです♪
NFTでボランティア証明を受け取ると分かるメリット
①ボランティアの達成感が得られる
自分自身、この実証実験を体験して、何よりも強く感じたのは達成感です。NFTを集めていくと、まるでスタンプラリーのようにボランティア参加履歴が可視化され、「自分が環境保護に貢献できた」という実感を得ることができました。また、今回いただいたNFTはオリジナルデザインで、とてもお洒落なものでした。思わずコレクターしたい気分になったほどです。
このように、大きな達成感を得られることは、ボランティア活動のやりがいにもつながり、人手不足の解消に向けた一つの手段として期待できるのではないかと感じました。さらに、友人同士でNFTを見せ合うことで、新たなコミュニティが形成されたり、そのボランティア活動を知って参加するきっかけが生まれたりすることも期待できます。
②ボランティア証明としての有効性
先述したように捏造が困難であり、ボランティア証明として非常に有効だと感じました。不正リスクがほとんどなく、見せて欲しいと言われればスマートフォンを取り出せばすぐに証明書としてすぐに成り立ちます。企業や大学などでは信頼される証明書になり得るでしょう。
③手軽さと効率性
今回使用されたCallbackというアプリは、QRコードをスキャンするだけでNFTを取得できました。ボランティアを募集する側にとっても、一人ひとりのボランティア手帳に記入する手間が省けるため、管理が非常に簡単になります。このような手軽さは、多くの人々が気軽にボランティア活動に参加する動機付けにもつながるでしょう。
このように、NFTによるボランティア証明書は、ボランティア活動におけるさまざまな課題を解決する可能性があります。さらに、例えば、キャンプ場の清掃ボランティアを行い、その証明を提示することで、キャンプ用品のレンタル割引を受けられる仕組みを作るなど、地域活性化の手段としても活用でき、NFTの活用には幅広い可能性が期待されます。
4.まとめ
今回はNFTとボランティア活動との関連性についてお話ししました。正直なところ、この取り組みはまだ実証実験段階であり、普及には時間が掛かるでしょうし、改善点もあるでしょう。しかし、自分のボランティア貢献を改ざんなく永遠に記録し、それを他者にも示すことができるという点では、大きな可能性があります。特に若年層やデジタルネイティブ世代には、このような新しい仕組みが大きな動機付けになるでしょう。
最後に、個人的意見になりますが、将来的に、皆さんもNFTで、ボランティアしてみませんか?企業の皆様や地域市民団体の皆様も是非導入の検討を。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ボランティア証明書の発行はコチラ【ボランティア証明書発行(全NPO対応) | NPO法人JAPANボランティア協会 (javo.or.jp)】
参考文献
神奈川県(2024),NFTを活用した海岸清掃ボランティアの実証事業「湘南ビーチクリーンアクション」を実施します! – 神奈川県ホームページ,https://www.pref.kanagawa.jp/docs/bs5/prs/r1642478.html,2024年11月14日
湘南ビジョン研究所(2024), ビーチクリーン&イルカサンドアートづくり(11月9日(土)サザンビーチ) | 湘南ビジョン研究所, https://shonan-vision.org/news/6327/,2024年11月14日
※Callbackというアプリはボランティア証明だけでなく様々な使い方があるようです。
Callback株式会社(2024), Callback, https://callback.xyz/partners,2024年11月14日
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