海外と日本のボランティアに対する考え方・文化の違い

こんにちは!JAVOメディアライターの田口です。
今回は「海外と日本のボランティアの違い」についてお話していこうと思います。
突然ですが皆さん、日本のボランティア参加率は高いと思いますか?
私はよく災害時の復興ボランティアなどをよくテレビで見ていたので、高いと思っていました。しかし、世界的にみると日本の順位は中~下位程度と低めなのです。
そこで今回、ボランティア参加率が高い国と日本を比較しどのような違いが見られるのか見ていこうと思います。
1.ボランティア参加率が高い国ってどこ?
参考文献※1によると、世界で最もボランティア参加率が高い国はインドネシアで、インドネシア人の約60%が参加しています。2位はリベリア、3位はナイジェリア、4位ケニアと続いていきます。対して日本は19%とかなり低いです。
順位を見てもらうと分かる通り、イスラム教徒やキリスト教徒が多い国のボランティア参加率が高いです。これはイスラム教には「ザカート」と呼ばれる「所有財産・収入の一部を貧者に施す宗教的義務」があり、キリスト教では「貧しい人々や教会を支援するための寄付が奨励」されており、寄付は「信仰の実践として、神の愛を示す行為」とされていることが関係します。
2.日本と海外のボランティアのとらえ方の違い
日本では、「ボランティア=善意による無償労働や奉仕」というイメージが根強く残っており、非日常的なものとして捉えられています。
しかし、欧米ではボランティアは、キリスト文化圏であることもあり、「市民の義務」や「当然の行動」として捉えられています。また、ボランティアは「スキル活用」や「自己実現の場」にもなっています。
このように日本と欧米ではボランティアへのとらえ方が大きく異なります。
3.日本でボランティア参加率が低い原因
日本でボランティアが少ない要因は以下の6つがあげられます。
1つ目は、災害時に一時的な盛り上がりがよく見られ、非日常的なものとして捉えられていることがあげられます。日本では、日常的・継続的なボランティア活動への参加者はかなり限られています。
2つ目は、組織化されたボランティアが多いことです。例えば学校の授業の一環としてボランティアに参加させられることです。これは自主的に参加するボランティアとは異なり、「やらされてる感」というものがどうしても出てしまうことがあります。
3つ目、成績や就職時の評価への影響が限定的なこともモチベーションが持続しにくい原因につながります。
4つ目は忙しく、参加する時間がない。休暇がないことがあげられます。ボランティアは一日かけたものなど一時間で終わるものは少なく、開催時間も昼間が多い印象です。そのため、まとまった時間が必要となり参加が難しい方が多いのかもしれません。
5つ目は情報不足です。そもそもどこでどんなボランティアが行われているのか知らない、参加したくても応募方法がわからないといった声もよく耳にします。
6つ目は経済的問題です。ボランティアは基本的に無償なものが多いです。そのため、現地までの交通費など参加するにあたり、発生する経費があることが経済的負担につながっていることがあげられます。
これらの要因から日本ではまだまだボランティアへの参加率が低いのです。
4.私たちにできること
ボランティア参加率を上げるために私たちができることには次の4つがあげられます。
1.ボランティアへ参加・共有
イベント型の活動ように短時間のものに参加し、活動内容や参加時の様子をSNSなどを通じて共有する。
2.友人をボランティアに誘う
友人に「一緒にやらない?」と声をかけ、参加することで、初めて参加する人の参加するハードルが下がります。
3.情報共有
ボランティアに興味があっても、参加できるものを知らなかったという方や、ボランティア活動を詳しく知らないという方が、ボランティアについて知ったり、参加するきっかけになったりします。そのため、広告活動や知り合い間で情報を共有します。
4.偏見をなくす
「ボランティア=善意、立派なこと」というイメージから、「就活のため」「楽しさ目的」でもよいことを伝え、誰でもボランティアをはじめやすくします。
5.まとめ
日本は世界的に見てボランティア参加率が低い傾向にあります。また日本と欧米ではボランティアへの考え方が「奉仕」と「義務」というように大きく異なります。イスラム教やキリスト教の国では宗教の教えやの影響でボランティア参加率が高いです。
日本でボランティア参加率が低い要因には「ボランティア=特別なこと」というイメージが根強く残っていることやボランティアの活動実績を就職活動などで生かせない場合が多いことや情報不足などがあげられます。
ボランティア参加率を高めるために私たちにできることはボランティアに参加するハードルを下げることや情報不足を解消するために情報提供や広告活動を行うことです。
皆さんも一緒に日本のボランティアを盛り上げていきませんか?
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参考文献
・WORLD GIVING INDEX 2024 GLOBAL TRENDS IN GENEROSITY ※1
https://www.cafonline.org/docs/default-source/inside-giving/wgi/wgi_2024_report.pdf
・アメリカ
・Q13.外国ではどうなんですか?:YYボランティアビューロー|山形青年の家
・【統計記事】なぜボランティアに参加しないのか?
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