海洋ごみ・漂流ごみと私たちが今からできること
はじめまして。JAVOメディアライターの松本です。今回は、私が実際に経験したことをもとに海の現状について伝えていきたいと思います。
1.漂着ごみと海岸清掃ボランティア
突然ですが皆さんに質問です。皆さんは、海岸清掃ボランティアに参加したことはありますか?私が通っていた小学校では、遠足で海水浴場へ行くのですが、その際に毎回レクリエーションの一環で海岸清掃をしていました。おそらく、小学生の頃から海の環境の現状を知ってもらい、必要な知識を身につけてもらうためでしょう。
ただ単にごみ拾いをするわけではありません。楽しくごみ拾いをしてもらうための工夫として、グループ対抗戦で行うのです。
ルールはとても簡単。全校生徒約30人でだいたい6人ずつのグループを作り、制限時間30分以内に集められたごみの量を競い合います。
ちなみにごみ袋は、自治体で配られているボランティア袋というものに集められます。だいたい各家庭にあるごみ袋と同じサイズです。
よーいスタート!の合図でごみを集め始めます。
しばらくするといろんな声が聞こえてきます。
「うわ、靴あるじゃん!」
そうなんです。靴やスリッパの片方が砂まみれになって落ちているんです。
ボロボロになったものもあれば、まだ新品のようなものまでありました。
「何これ、気持ち悪い~」
もちろん気持ち悪く感じてしまうものもあります。貝がびっしりと付いたウキ、フジツボが隙間なく付いているかご、腐ってしまった野菜など、、、
これらのごみも、トングや軍手を使って危なくないように拾います。
「え、これ何語?」
ごみは、日本のものだけではありません。お隣の韓国や中国以外にも、英語圏から流れ着いてきたものもあります。そうなると、どこかの国の海岸にも日本から流れ付いたごみがあるかもしれませんね。
終了の合図で、生徒は一か所に集合してきます。なんと各グループ約2袋分ほどのごみが集まりました。順位は重さで決まりますが、果たしてこの決め方は平等だったのでしょうか。
ひとまずそれは置いておいておきましょう。
約30名の生徒で、30分間海岸清掃を行いました。全部で10袋分のごみが集まりましたが、まだごみは残っているという状況です。時間の都合上、その時はごみを拾いきることはできませんでしたが、始める前と後では見違えるほどきれいになっていました。
海岸清掃と聞くと、めんどくさそう、難しそうといったイメージを持ちがちかもしれません。しかし、ゲーム形式でやると案外楽しかったりするのです。小さい頃から海の環境に触れるという経験ができたことは意味のあるものだったと思います。
2.漂流ごみと海洋生物
私の父は、漁業関係の仕事をしています。そのため、毎日船に乗り、海の上で働いています。そんな父を見ている私だからこその視点で海のごみ問題に気づくことがあります。例えば、父の帰りがいつもより遅くなったとき、高確率でこんなことを言います。
「またプロペラが動かなくなった。」と。
原因は、海に漂流しているごみです。たしかに私も、最近食品トレーやナイロン袋などのごみが増えているように感じます。私がそう感じるのは特に夏です。小さい頃は全くごみなんて目にしなかったし、気にもしていませんでした。しかし、年々様子が変わってきています。海で泳いでいても、ごみが気になって楽しい気持ちも薄れてきてしまいます。波止場で釣りをしている時も、波打ち際にごみが寄せられていたり、肝心な魚ではなくごみを釣りあげてしまったりすることがたまにあります。ごみなんか気にせず、ただただ楽しく海で遊びたいと思う気持ちが無下にされるのはとても悲しいです。
しかし、こういった海ごみは人間である私たちが起こしてしまったことなのです。近年よくメディアで取り上げられる海ごみによる海洋生物への悪影響はとても深刻化しています。プラスチックごみを餌と間違えて食べてしまったり、網が絡まってしまい身動きが取れず、体まで傷ついてしまうといったことなどにより、毎年無数の海洋生物が死んでいるとされています。恐ろしいことに、2050年には魚より海洋ごみの量が多くなるとまで言われています。私はこんなことあってはならないと思います。皆さんはどうでしょうか。
3.まとめ
海洋ごみには、今回紹介した漂着ごみ・漂流ごみのほかに、海底ごみという海底に沈んでいるごみもあります。私のように、海と身近な環境にいる人は現在の海の環境に危機感を抱いていると思います。しかし、きれいな海しか見たことがないという人もいるでしょう。そのきれいな港や海水浴場はその場所を管理している方、ごみ拾いをしてくださるボランティアの方々のおかげであることを忘れないでほしいです。
きれいな海を守るために、海岸清掃ボランティアに参加しましょう。と言いたいところですが、それが難しいという人もたくさんいます。だからといって何もしないわけにはいきません。まず私たちができることをしましょう。ありきたりなことかもしれないけど、ごみはきちんとごみ箱に捨てること。これが最も簡単なボランティアかもしれません。
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