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ボランティア団体のご寄稿

私が一番大切にしたいこと

みなさんこんにちは!特定非営利活動法人国際協力NGO風の会の桂美優です。

今日は、風の会での活動を通じて私が感じたことについてお話ししたいと思います。

 

風の会は支援方法で事業部を分けていて、それぞれが自分のやりたいことに近い形で支援

ができるようになっています。私は入会当時、実態のある支援がしたいな~となんとなく考えていたので、仲良くなった同期がいたこともあり、物資支援をしている総合教育事業部のハード面チームに所属を決めました。

 

当時のハード面チームは、今の支援先が自立して運営できるようになり始めていると感じていて、各自で新事業を考えていました。

道路整備や図書館建設など様々な案が出る中で、私は就労支援について考えました。

安定した職業に就くことができれば、子どもたちに必要な道具を与えられるようになるし、出稼ぎでドロップアウトをすることもなくなるかもしれない。

そう思い、事業の一環で就労支援をされている団体の代表の方に、zoomでお話を伺いました。

働く場所を提供するにはシステムが定着するまで何十年も根気強く見守らなければならないこと、“出稼ぎを止める“以外の視点も考えてみるといい、など様々な経験やアドバイスをいただきました。

 

その中で特に印象に残ったのが、”モノをあげる支援をしない”という方針でした。

代表の方によれば、カンボジアの人々の経済状況は数十年前とは変わっていて、子どもに文房具や制服を買ってあげるお金を持っている親は多いそうです。ただ、今の親世代には教育の大切さは浸透していないから、そのための財布を作る意識がなく、お酒や子どものおやつ代にお金が回ってしまうのだそうです。

その意識を変えていかないと、彼らの自立を助けることにはならない。だから、モノはあげない。そうおっしゃっていました。

 

足りないものをあげることは簡単だけど、それはある意味では自立の妨げになるのかもしれない。

前からぼんやりと感じていてはいたのですが、お話を伺ってそれが明確に疑問になりました。これ以降、“今考えている支援は本当に必要なのだろうか”“今している支援も私たちの自己満足でしかないんじゃないか”と悩むことが増えました。特に今年は新型コロナウイルスの影響で渡航ができず現地のニーズを正確に把握することが難しかったため、余計に不安になり、モチベーションもかなり低下しました。

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そのときに先輩が提案してくれたのがファンドレイジング事業部に異動することでした。ファンドレイジング事業部は主に支援のための資金集めをする事業部です。

“ファンドにいけば、自分が集めたお金を、行いたい支援を具体的に見つけられている人たちに使ってもらうことができる”“直接的な支援から離れて柔らかい頭で間接的な支援をすることができる”そう思い、思い切って所属する事業部を変えさせてもらいました。

 

実際、異動してからまだ1ヶ月ほどですが、間接的な支援であっても常に支援先のことを考えるべきなのは変わらないこと(何のためにいくら集めたいのか・それは本当に必要なお金なのか、など)や、支援に協力してくださる方々の思いも届くような支援方法を考えるべきであることなど、見えてきたことはたくさんありました。

また私が一番疑問に思っていた物資支援についても、少し離れてハード面チームのメンバーが支援先のためにできることを考えているのを見て、”目の前の今困っている人を助けられる支援であることに間違いはない”“支援先のためを思った支援なら自己満足で終わらないのではないか” と感じられるようになりました。

 

私は今大学一年生で、入会してからはまだ半年程度です。この短期間だけでもこれだけ悩んだのだから、今後さらに経験を積めば、自分がやりたい支援と現実の差・支援の在り方などについてますます悩まされるのだと思います。このまま支援を続けていてもいいのだろうかと感じることも絶対にあると思います。

でもその時は、今自分たちが相手の為を思って動けているかどうかを1番に考えて、それができているならそんなに深く悩まずに、やりたいことをやってみるようにしたいと思います。

 

支援をするとき1番大切なのは相手のことを思うこと。そこがブレなければ、やっていることに自信をもっていい。この半年で私はそう感じました。

まだまだ風の会での活動は長く、できることもたくさんあります。活動の中で得たこの考え方を軸にして、これからも子どもたちの追い風になれるような支援を模索していきます。

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