航空分野における脱炭素化および持続可能性の達成
こんにちは!JAVOメディアライターの渡辺です!
みなさんは普段どのくらいの頻度で飛行機を利用しますか?ほとんど乗らないという方もいれば出張や帰省でよく利用する方までさまざまかと思います。しかし、ほとんどの人がインターネットの普及等により物流面で間接的に飛行機の恩恵を受けていることでしょう。そんな航空機から排出されるCO2の量は全世界で出る温室効果ガスの2%も占めています。そこでこの記事では、航空業界の脱炭素化運動や業界全体の持続可能性について書いていきます!
1.航空機が環境に及ぼす影響
多くの航空機にはジェットエンジンが装備されており、そのエンジンから排出されるCO2やその他燃焼物質が離着陸時には地表付近の大気汚染を、上空巡航中にはオゾン層の破壊や気候変動を引き起こす可能性があります。また、それ以外にも騒音や高速飛行による衝撃波の発生があります。最もわかりやすい例としては膨大な燃料消費による資源枯渇、温室効果ガスの排出による地球温暖化が促進されてしまうなどです。
2.脱炭素化に向けた動き
まず脱炭素とは何かと聞かれて同様によく耳にする言葉としてカーボンニュートラルという
言葉が思い浮かぶかと思います。これらの言葉はほぼ同義として捉えて問題ないですが、
脱炭素は特にCO2の排出に関して言及する言葉です。
航空業界の課題として国際民間航空機関(ICAO)は二酸化炭素排出量の制限を設定し
2050年までにカーボンニュートラルを達成しようと各国でさまざまな取り組みを促し、各航
空会社、航空機メーカにより弛まぬ努力を促進しています。
3.具体的な解決策、取り組み
ここからは航空業界として初めて”EcoFirst企業”の認定を受けた全日本空輸株式会社(ANA)の環境問題解決に向けた取り組みを紹介したいと思います。ANAは環境に優しい航空燃料使用の先駆けとして、生育中に二酸化炭素を吸収する植物を由来としたバイオ燃料を使用することで燃焼時に排出される二酸化炭素が実質的にゼロになるいわゆるカーボンニュートラルの達成に向け2012年この燃料を一部利用した太平洋横断飛行を行いました。これに続く形で近年同社では使用済み食用油を生成して航空燃料にしたSustanable Aviation Fuel (SAF)の利用をすることで今まで廃棄されていた油を活用することに成功しています。ANAはSAF製造メーカーと提携するなど日本の航空燃料開発におけるリーダー的存在を努めています。
また、燃料に工夫を凝らすだけでなく最新鋭の燃料効率が良い機材を導入しているほか、航空機の翼端に発生する渦により生まれていた空気抵抗を”ウイングレット”という渦を切り裂く小さな翼を新たにつけたり、機体の表面に鮫の肌を参考にしたシートを貼り付けることにより機体の空気抵抗が減少し結果的に燃料消費量の大幅な減少を成功させるなど多面的に燃料消費効率化の道を探り環境保護に努めています。(ANAFuturePromise)
また2つ目の例としてヤマト運輸の例を紹介します。
みなさんご存じの通りヤマト運輸は物流企業でオンラインショッピング等が普及した昨今これを利用する方は非常に多いでしょう。ヤマト運輸は各地にトラックを用いて荷物を運送していますがその背景には膨大な量のトラックから排出される二酸化炭素問題があります。そこでヤマト運輸は2024年より燃料効率の高い比較的新しい飛行機を用い、ANAのように航空燃料を工夫したりすることで荷物一つあたりのCO2排出減少に一役買っただけでなくドライバー不足問題や、災害時の速達性にも解決の糸口を提供しています。トラックでは輸送に時間がかかることからトラック運転手の休憩中アイドリング状態で排出される排気ガス、走行時間が長いこと、同じ輸送荷物あたりで稼働する台数が大きく違うことから航空機の導入はCO2削減に繋がり、普段飛行機を利用しない人にとってもこれらの取り組みが関係してくることと思います。
上記の取り組みは業界全体として資源の保護に繋がり、50年、100年先に向け事業が持続していく上で大切なことと考えられます。
4.まとめ
みなさんが普段何気なく利用している航空機、多少は環境問題に配慮していることはご存じでもその具体的な取り組みなどを知る機会は少ないかと思います。
今回この記事を読んでいただいて航空業界が持続可能性をかけてたゆまぬ努力をしていることがおわかりいただけたかと思います!この記事では紹介しきれなかった取り組みも多くありますので、ぜひ今後飛行機を利用する際はこの記事の内容を頭の片隅に入れて空の旅を楽しんでくださいね!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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参考文献
全日空 12_19.pdf (ana.co.jp)
日本航空 環境問題に関する社外との連携|サステナビリティ|JAL企業サイト
航空機国際共同開発促進基金 航空機の大気環境へ与える影響評価:研究の回顧と現状 (iadf.or.jp)
ヤマト運輸 持続的な物流ネットワークの構築に向けて フレイターの運航を2024年4月から開始 | ヤマトホールディングス株式会社 (yamato-hd.co.jp)
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