1. HOME
  2. ブログ
  3. ボランティア団体のご寄稿
  4. 手づくりのアルプホルンでスイス民族音楽を楽しみ人々の交流を育む活動

JAVOメディア

~今と、明日とミライへ。~

ボランティア団体のご寄稿

手づくりのアルプホルンでスイス民族音楽を楽しみ人々の交流を育む活動

アルプホルンを吹いている写真

今回は、アルプホルンを手作りしスイス民族音楽を演奏する市民楽団でもある、特定非営利活動法人玉川アルプホルンクラブ様によるご寄稿です。音楽を通じたスイス文化の勉強や、国際交流にも取り組んでおられます。
HP:玉川アルプホルンクラブ

 

1.活動内容・団体の目的

スイスの伝統楽器であるアルプホルン。木で作られたその管楽器は、音を重ねると美しい和音を奏で、それが野山へとこだまし、大自然と対話をしている様な心持となります。

そのアルプホルンを自分で作り、練習し、みんなで合奏をして楽しんだり、各地に出向き多くの方に演奏を聴いていただいたり、というような活動を行っています。また、手作りアルプホルンに興味のある方々へ作り方を伝授し、各地でのアルプホルンクラブ設立のお手伝いもおこなってきました。

私たちクラブは、地域のコミュニティ醸成、他地域の方々との交流、楽器を作り上げることやその楽器を上手くなるための挑戦する気持ちや達成感、みんなと気持ちを合わせハーモニーを創っていく楽しさ等を通じ、その人の人生を少しでも彩のあるものなるようお手伝いをしていく、という気持ちで活動を行っています。

 

2.活動をはじめたきっかけ

クラブの設立は、1989年神奈川県厚木市七沢地区にあります玉川公民館の生涯学習講座としてアルプホルンづくりが実施されたことに端を発します。

この講座は、先代のクラブ会長が提案したものです。また彼は森林の研究者でもあり、さまざまな取り組みをする中で、根元が曲がってしまい商品価値の無い杉や檜の材に、楽器という光を当てることを思いついたとのことです。

その後、アルプホルンの他に、スイスの民族楽器であるスイスアコーディオン、カウベル、併せてオーストリア、ドイツの山岳地方民族音楽等も取り入れ演奏を楽しんでいます。

曲がり材を使用している写真

根曲がり材を確認         

木を彫りだしている写真

山から木を伐りだす

3.やりがいや印象的な出来事

(1)クラブ活動から日々の生活に潤いを与える

アルプホルン等の楽器練習や演奏会を通じて、日々の生活にメリハリが出ることが良いと思っています。演奏会時の適度?な緊張感、何とか上手になろうとする頑張る気持ちやなかなか思う様にならない挫折感、出来る様になった時の達成感等、大変な面もあると思いますが、これらが生活に潤いを与えているのではないかと考えています。

みんなでアルプホルンを吹いている写真

アルプホルンの練習

(2)様々な方々との交流

国内に於いてアルプホルンを演奏する楽団は、それ程多くはありません。その為か、各地より演奏の依頼をいただきます。これまでアルプホルンの伝授活動も含め、日本各地津々浦々を巡り多くの方々と交流を行ってきました。会場は公園、植物園、山の麓の山開き式典、学校関係等です。更にスイス大使館や在日スイスの方のコミュニティの皆様とパーティでの演奏やスイス文化に触れることのできる行事等で交流を行ってきました。

海外に於いては、スイスでのアルプホルン吹奏研修会や国際コンクール、スイスアコーディオン教室等への参加を通じて、現地の先生や楽器工房の方々やそのお友達との交流も行ってきました。そしてスイスの方を通じて、韓国の市民ヨーデル団体との交流も生まれ、日本と韓国で互いに交流演奏会を行う等の活動も取り組んできました。

公園で演奏している写真

公園での演奏会        

在日スイスの方々のパーティの様子 

 在日スイスの方々のパーティでの演奏

 

(3)音楽の力を体感する

これは証拠を確認して立証できたというものではなく、あくまで実際に起きた出来事としてのものです。北海道のある精神科系の病院に於いて、その患者の皆様を対象とした演奏会を行った時の事です。病院のきれいな前庭を会場として、私たちはいつもの様にアルプホルンそしてアコーディオン等の演奏、そして参加者の皆様と曲に合わせて踊る等のことも交えながらプログラムを行いました。演奏会後担当ドクターより、この演奏会中に心の傷を負って歩けなくなってしまった患者様が、みんなといっしょに歩いて踊っていたというお話をいただきました。

アマチュアの演奏、スイス民族音楽、生演奏の新たな可能性を少し感じた演奏会となりました。

 

4.今後の目標や挑戦したいこと

設立から10年間ぐらいは、100名を超えるメンバーが、みんなで山から木を伐り出しての楽器づくり、神奈川国体会場での合奏、スイスの方々等との合同コンサートの実施、本場スイスへの音楽研修会旅行等々かなり積極的な活動を行っていました。その後、前述のとおりの活動を行い現在に至ります。なお、活動が充実してきた2009年にNPO法人となり、引き続き取り組みを進めてきました。

しかしながら、現在はクラブ会員数の減少と高齢化もあり、設立当初に比べ大分活動が縮小傾向にあります。このような状況ですが、今後もスイス等民族音楽を楽しみながら、徐々にでも活動の輪を広げていければと思っています。

 

5.読まれた方へのメッセージ

スイス民族音楽は、他のジャンルに比べ取り組む際の敷居は低いと思います。その理由は、曲の構成(コード進行やリズム)が比較的単純、アルプホルンは音階が基本ド、ミ、ソしか出ないので誰でも直ぐにハーモニーを奏でることができる、楽譜上のシャープやフラット等を気にする必要が無い等です。

クラブのメンバーも、入会するまで音楽経験の全くない方が主として活動してきました。また音楽活動以外でも前述の通り様々な体験ができる可能性もあります。

もし私どもの活動に興味を持たれましたら、一度見学や演奏体験等にお越しになったらいかがでしょうか。いつでもご対応しますので、お気軽にご連絡いただければと思います。

最後に、音楽に関わらず皆様がご自分にあった趣味や生きがい等を見つけ、彩のある生活を送ることができるよう願っております。

スイス大使館での記念撮影

スイス大使館での記念撮影

 

玉川アルプホルンクラブウェブサイト  https://www.tamagawa-alphorn.com/

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事