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子ども達に寄り添うボランティア〜居場所作りや学習支援〜

こんにちは。JAVOメディアライターの陌間です。
家庭や学校だけではなく、子どもたちが安心して過ごせる場所が地域の中にもあるとしたら…。
そんな居場所づくりに取り組む活動が、いま少しずつ広がっています。
今回は、学習支援、放課後の見守り、子ども食堂など、地域の大人たちが子どもたちを支えるあたたかな取り組みをご紹介します。

 

子どもたちの現状と支援の必要性

今の日本に暮らす子どもたちは、一見すると豊かで恵まれているように見えます。しかしその一方で、経済的な格差や孤立の中で支えを必要としている子どもたちも少なくありません。

実際、2021年時点の日本の子どもの貧困率は11.5%で、約9人に1人が貧困状態にあるとされています。特に、ひとり親世帯における貧困率は44.5%と非常に高く、深刻な状況です。*1

文部科学省の調査によると、世帯の年間収入が増えるほど、学校外活動費にかける支出が多くなる傾向があると報告されています。*2つまり、家庭の経済状況が子どもの学習環境に直接影響を与えているのです。収入が多い家庭では、塾や習い事などに通わせることができ、子どもに多くの学びの機会を与えることができます。一方で、経済的に厳しい家庭では、そうした環境を整えることが難しく、学力や進路に差が生まれてしまいます。

このような格差は、子ども自身の努力や能力とは関係なく、家庭の環境によって将来が左右されてしまうという深刻な問題につながります。教育の格差は、子ども一人ひとりの未来だけでなく、社会全体にとっても大きな課題です。すべての子どもが平等に学ぶ機会を得られる社会を実現するためには、地域や社会が一体となって取り組んでいくことが求められています。

また、経済的な問題に加えて、「孤立」や「居場所のなさ」に悩む子どもたちも増えています。令和5年時点で、不登校の小中学生は過去最多となり、1,000人当たりの不登校児童生徒数は37.2人と報告されています。*3

不登校になる理由はさまざまですが、学校で人と接する機会がなくなることで、他人と話す機会が減り、日中を一人で過ごす時間が長くなってしまいます。その結果、孤独を感じる子どもも少なくありません。特に、家庭でも十分な関わりが持てない場合、子どもは強い孤立感を抱えてしまうことがあります。

このように、子どもたちには「学ぶ環境」だけでなく、「安心して過ごせる居場所」や「気軽に話せる相手」といった、心の支えとなる環境も必要とされています。

このような課題に対して、地域で子どもたちを支えるボランティア活動が注目されています。学習支援やごはんを提供するなど、さまざまな活動によって、子どもたちにとっての大切な支えとなっています。

 

 

学習支援ボランティア-教育格差をなくすために

近年、教育格差の解消に向けた取り組みとして、地域で活動する「学習支援ボランティア」が注目されています。学習支援ボランティアは、放課後や休日に子どもたちの勉強をサポートし、地域の中で大切な役割を果たしています。

この活動では、宿題を手伝ったり、わからないところを一緒に考えたりするだけでなく、大学や高校の進路に関する相談に応じたり、日々の悩みに耳を傾けたりすることもあります。勉強だけでなく、子どもたちの気持ちにも寄り添うことが大切にされているようです。

学習支援を受けた子どもたちの中には、高校の卒業資格を取れた子や、英検が取れた子など、前向きな感想が紹介されています。また、勉強のサポートだけでなく、誰かに見守られているという安心感も、大きな支えになっています。

塾のように成績の向上を目的とするのではなく、子どもたちが自分のペースで学び、主体的に学ぶ姿勢を育むことを重視している点が特徴だとされています。「わかる楽しさ」や「できる自信」を大切にしながら支援が行われているそうです。

多くのボランティア団体は学習指導などの経験や資格がなくても参加できることが可能で、大学生から社会人まで、幅広い世代の人たちがボランティアに参加しているそうです。また、子どもたちとの交流を通して、ボランティアする側もコミュニケーション力や聞く力を高めることができるなど、双方にとって学びの多い活動です。活動の場は、公民館や地域センターなど、NPO団体や自治体と連携しながら、地域全体で子どもたちを支える体制が広がっています。

 

安心できる居場所づくり

保護者の仕事や家庭の事情により、子どもが一人で過ごす時間が長くなることがあります。家族の前で素直に気持ちを言えなかったり、学校でうまくなじめなかったりして、孤独や不安を感じている子どもも少なくありません。小学生から高校生まで、そうした子どもたちが安心して過ごせる「居場所づくり」が、今注目されています。

地域の公民館や児童館、空き家を活用したスペースなどで、子どもたちが自由に立ち寄れる場所が作られています。そこでは、宿題をしたり、絵を描いたり、本を読んだりと、それぞれが自分のペースで過ごすことができます。また、ボランティアの大人たちとおしゃべりをしたり、一緒に遊んだりすることで、人とのつながりを感じることができます。

家でも学校でもない「第三の居場所」は、子どもたちの心の支えになります。見守りは特別なことをする必要はありません。ただそばにいて、話を聞いてくれる大人がいるだけで、子どもは安心し、自分らしくいられるのです。

 

子ども食堂 -食を通じた支え合いのかたち

子ども食堂は、地域の子どもたちに無料または低額で、栄養満点の温かいご飯を提供する場所です。経済的に苦しい家庭の子どもだけでなく、誰でも気軽に立ち寄ることができ、食事を通して人とのつながりを感じられる、あたたかい居場所になっています。

共働きの家庭では、家族の帰りが遅く、一人で食事をとる「孤食」が増えてしまうことがあります。また、家庭で十分な食事をとれない子どももいます。そんなとき、子ども食堂では、ボランティアの人たちが作ったごはんをみんなで囲みながら、安心して過ごすことができます。

さらに、学校や家庭とは違う環境でいろいろな人と話すことができるため、子どもたちにとって大切な「居場所」にもなっています。最近では、保護者や地域の大人も一緒に参加できるようになり、親同士のつながりや地域のネットワークが広がるきっかけにもなっています。

子ども食堂は、食事を作るスタッフだけでなく、食材やお金の寄付、調理のお手伝いなど、さまざまなかたちで支えることができます。多くの人の協力が、子どもたちの笑顔を生み出しているのです。

 

終わりに

地域の中で、子どもたちを支える活動は少しずつ広がっています。今回紹介した、学習支援や子ども食堂など、どれも子どもたちの「安心できる居場所」をつくる大切な取り組みです。特別な資格や経験がなくても、「子どもと関わりたい」「誰かの力になりたい」という気持ちがあれば、誰でも参加できます。

子どもたちは、大人と話す中で、自分の気持ちを整理できたり、新しい目標が見つかったりします。そして、そんな時間を一緒に過ごすことで、ボランティアをする側も大切な気づきを得ることができます。

勉強を教えることが得意な人、子どもと遊ぶのが好きな人、おしゃべりを楽しみたい人、地域とのつながりを持ちたい人……さまざまな人が関われるのが、こうした地域の取り組みの魅力です。

少しでも関心をもった方は、まずは見学に行ってみたり、ボランティアに申し込んでみたり、小さな一歩から始めてみませんか?

ボランティア証明書の発行はコチラ【ボランティア証明書発行(全NPO対応) | NPO法人JAPANボランティア協会 (javo.or.jp)

参考文献

*1厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/dl/14.pdf

*2文部科学省:https://www.mext.go.jp/content/20241225-mxt_chousa01_000039333_1.pdf

*3文部科学省:https://www.mext.go.jp/content/20241031-mxt_jidou02-100002753_2_2.pdf

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