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ボランティア×観光?! ~ボランティアツーリズム~

皆さんこんにちは!JAVOメディアライターの松本です!

今回は、「ボランティアツーリズム」について、皆さんに紹介していきたいと思います。

 

ボランティアツーリズムとは? 

皆さんは、ニューツ-リズムという言葉を聞いたことはありますか?

ニューツーリズムとは、特定のテーマ(例:エコツーリズム、グリーンツーリズム、サスティナブルツーリズムなど)に基づき、持続可能な観光の実現に貢献する新しい形態の観光のことです。
そのニューツーリズムの一形態で、「ボランティアツーリズム」というものがあります。旅行者が単に観光地を巡るだけでなく、観光地でボランティア活動を行うことで、地域社会に貢献しながら観光を楽しむ旅行スタイルです。

 

ボランティアツーリズムの特徴

ボランティアツーリズムの具体的な活動内容は多岐にわたります。例えば、災害時の復興支援や、植樹体験などの環境保護活動、農業体験、地域の清掃活動などです。
このような旅行は、観光地の文化や暮らしをより深く知ることができる上に、「現地の役に立ちたい」「社会に貢献したい」という旅行者の想いを実現する手段にもなります。単なる「見る旅」から「関わる旅」への転換とも言えるでしょう。

 

ボランティアツーリズムの実施事例

次に、実際に行われたボランティアツーリズムの事例を紹介します。
ちなみに、日本においては、東日本大震災でボランティアツアーが増加したことをきっかけにボランティアツーリズムへの参加者が増えたと言われています。

①ANAグループによるボランティアツアー

このツアーは、「関東から行く!のと復興支援ボランティアツアー2日間」と題し、ANAグループの社員提案制度によって企画されたもので、能登半島地震や能登半島豪雨で大きな被害にあった輪島市での災害ボランティアが行われました。また、震災を風化させないために運行されている「のと鉄道 震災語り部観光列車」への乗車や伝統文化体験なども組み込まれたツアーです。

【内容】
1日目:災害ボランティア活動(川沿いの畑の泥の掻き出し、土嚢袋に詰める)
2日目:「輪島塗 沈金体験」「震災語り部観光列車」「能登ワインの見学」

【参考】
関空から行く!能登復興ボランティアツアー2日間|国内ツアー|ANA

能登復興ANA「ボランティア + 観光」ツアーを取材した、半数は初体験、語り部列車や関係人口への取組も|トラベルボイス(観光産業ニュース)

 

②佐賀県唐津市のボランティアツーリズム

自然共生サイト(OECM地域)である横枕地域(唐津市相知町)で、2024年度より、NPO法人 唐津Farm&Foodによって、本格的なボランティアツーリムプログラムが始動しました。
この取り組みは、里山の環境保全活動と国際交流を融合させ、世界各地からボランティアを受け入れており、地域住民とともに持続可能な里山づくりを進めることを目的としています。

【内容】
2024年春、初めてフランスから環境保全ボランティア2名が受け入れられています。
今後も、農業、環境教育、文化交流など多様な分野でのプログラムを展開予定です。

・〈唐津ミツバチプロジェクト〉二ホンミツバチの養蜂活動サポート

・〈里山保全作業〉水路清掃、畦道草刈り、畑の耕起、ナスの支柱立て

・〈放牧準備〉ヤギ小屋の整備と草地管理の取り組みスタート

・〈自然共生サイト間交流〉伊万里市「駒鳴の里山」への視察研修

※自然共生サイト:
令和5年度より、環境省が「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」を「自然共生サイト」に認定してきた。令和7年度からは、地域生物多様性増進法に基づき認定された実施計画の実施区域も「自然共生サイト」となる。

【参考】
自然共生サイト・横枕から発信!ボランティアツーリズムで学ぶ「ネイチャーポジティブ」への一歩 | 特定非営利活動法人唐津Farm&Foodのプレスリリース

 

③Volunteer Ally (ボランティア・アリー)の活動

ボランティア・アリーは、ハワイへの旅行者が地域に関わる体験を仲介する団体です。
観光だけでは味わえない、ハワイの自然や文化に触れながら社会に貢献するボランティア活動を行うことで、思い出がより豊かになります。また、この団体はハワイ全域の団体と連携しているため、海外ボランティア活動へのハードルが下がる点もポイントです。

【内容】
・ナロ・ファームズ|ボランティア体験&農場ツアー&新鮮ランチ
オアフ島の自然と触れ合うエコツアーとなっており、ボランティア体験と見学ツアーを通じて、アクアポニックス(魚と植物を同じシステムで育てる農業)やゼロウェイスト農業(廃棄物を限りなくゼロに近づける農業)の最前線を学ぶことができます。また、ボランティアの人々が植えたレタスは、すべてハワイ・フードバンクへと寄付されます。作業後には、農場直送の新鮮なレタスとバーベキュー肉を使ったランチを楽しめます。

・ハマクア湿地でボランティア&教育ツアー
オアフ島のハマクア湿地で環境保全活動に参加し、ハワイの生態系や野生生物について学ぶことができます。また、特別なハワイ文化体験も含まれています。

・動物保護|ボランティア体験&キャンパスツアー&ランチ
ホノルル市内の動物保護施設で、保護された動物たちのためにできるサポートを通じ、「命の大切さ」や「思いやりの心」に触れる機会となっています。動物保護施設のキャンパス見学ツアーが用意されていたり、猫の隠れ家づくりや犬のおやつ準備などン墓御ランティア活動もあります。また、日本語通訳付きのため、安心して気軽に参加できます。

【参考】
Volunteer Ally | ハワイ ボランティア体験

④埼玉県秩父地域のボランティアツーリズム

秩父地域1市4町では現在、ボランティアツーリズム「観光×ボランティア!ボラっとちちぶ」を実施しています。この取り組みは、秩父地域で人々が大切にしてきた自然や文化などを持続可能なものにしていくために行われています。

【内容】
・日野沢川の自然を守るボランティア体験ツアー(皆野町)
皆野町の中でも山間部に位置する日野沢地区を流れる日野沢川のホタルを守るための活動です。ホタルの幼虫やその餌となるカワニナを川に放流したり、花の鉢植えが行われました。

・長瀞ボランティアツアー 竹林整備と竹明かり製作(長瀞町)
地域課題となっている荒廃した竹林の整備作業体験を通して、環境保全について学び、竹の活用方法として竹明かりの製作がされました。最後には、長瀞町観光ガイドの案内による、長瀞町の岩畳の散策も行われました。

・秩父夜祭 桟敷席等お手伝いツアー(秩父市)
秩父夜祭の際に設置される桟敷席の運営に携わるボランティア活動です。パイプ椅子を雑巾で拭いたり、来場者の席への案内などが行われました。終了後は、秩父夜祭の見所である4000発以上の花火と屋台を楽しみ、地域の方と交流しながら、秩父の文化を体感できる機会となりました。

【参考】
秩父地域におけるボランティアツアーの実施について – 埼玉県

 

メリットとデメリット

ボランティアツーリズムは、参加者にとっても受け入れる地域にとってもメリットがあります。参加者にとっては、「地域貢献」「人の役に立つ」ことへの喜びを感じられる点が挙げられます。ボランティアを通じて、新たな学びや貴重な経験を得られると同時に、その地域の観光もできるのは一石二鳥です。地域にとっては、観光による経済的利益に加えて、人手不足の補完、地域理解などが期待できます。特に、自然災害の被災地では、外部からのボランティアは重要な役割を果たします。

しかし、その一方でデメリットもあります。

1つ目に、「安全性が確保できているかどうか」です。ボランティア活動の内容の中には、ゴミ拾いやがれきの撤去作業など、危険が伴うものもあります。

2つ目に、「できる活動が限られている」ことです。ボランティアツーリズムでは、誰もが参加できるよう特別なスキルがいらないというメリットがありますが、地域が求めているものとは異なる可能性があります。例えば、農作業の手助けのつもりがレジャーで行う収穫体験のようになってしまうかもしれません。

3つ目に、「準備不足のボランティアがやってくる」という可能性があることです。助けになりたいという気持ちがあったとしても、十分な準備を整えられていないボランティアが来てしまうと、かえって負担を増やしてしまうことになります。

 

まとめ

ボランティアツーリズムでは、「ボランティア」と「観光」を組み合わせたユニークな体験を提供しています。日本では、まだあまり浸透していないニューツーリズムのひとつですが、これからの観光の選択肢の中にボランティアが加わることを期待したいと思います。

皆さんも、この夏の旅行計画の中に、ボランティアも組み込んでみてはいかがでしょうか?
観光とボランティアを組み合わせることによって、その地域の特色や文化について、深く理解し、思い出もより濃いものになるでしょう。

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

【参考】
他者や地域に貢献する旅!ボランティアツーリズムが持つメリットや課題とは? – ホテル・宿泊業界情報コラム|おもてなしHR


ボランティア証明書の発行はコチラ【ボランティア証明書発行(全NPO対応) | NPO法人JAPANボランティア協会 (javo.or.jp)

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