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私の軌跡【社長インタビュー】

劣等感は強力な武器。ソロプレナーが語る「飢え」と「賢い借金」のリアル【私の軌跡】

社会に出ると、いつの間にか「働くこと」がこなすことになっていくーーそんな感覚は、私たちのなかにも確かにある。

「だからこそ、何の経験を取りにいくのかを、考えてみてほしいと思っています。」

現在、大野さんは法人向けの資金調達支援メディアを運営している。合理的な言葉を選びながらも、その根っこには、もがきや揺れを繰り返してきた過去がある。

「頭がいいタイプじゃないんですよ。いい大学も出てないし。でもだからこそ、自分に何が足りてないかを常に見つめながらやってきました。」

スマートに見える経歴の裏にあるのは、劣等感を原動力にしてきた日々。だからこそ彼は、どこに入るかより、どんな経験を取りにいくかを大事にしてほしいと語る。
肩の力を抜いて、自分の人生をどう過ごしたいかを想像してみること。それが、はたらくを自分の言葉で捉え直す最初の一歩かもしれない。

プロフィール

大野克也
rimad株式会社代表。営業・マーケ・新規事業など複数領域を経験後、副業で立ち上げたメディアをわずか2年で年商1億円規模に成長。現在は資金調達領域で業界No.1のメディアを運営中。実践知と行動力で、着実に成果を積み上げてきた若手起業家。

参考URL:https://faclog.jp/

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借金=リスク・悪いものじゃない。時間やキャリアの前倒しという考え方


大野さんの社会人としてのスタートは、法人営業の現場だったそう。数字と向き合いながらも、地道な努力を重ねていった。そこからWebマーケティングコンサル会社でディレクター、さらにBtoBスタートアップに入社し、営業統括として戦略立案やマネジメント、新規事業の立ち上げなど、次々に挑戦の場を広げていった。副業として手がけたメディア事業では、2年で1億円の収益を生み出すなど、目に見える実績も築いてきた。

そんな中「仕事を自分でコントロールしたい。」という想いを胸に、大野さんは独立を選ぶことになる。
6年間、平日も土日も関係なく、朝から晩まで仕事に没頭した。寝食を忘れるほどの熱量で走り続けたが、ある日、体が静かにブレーキをかけた。半年間の休職を余儀なくされ、そこで初めて立ち止まることになった。

「ポジションが上がれば大きな仕事も任せてもらえる。でも同時に、自分ひとりでは意思決定できない場面も増えていったんですよね。」

組織が大きくなるほど、関わる人数や調整も増える。一日の大半がミーティングで埋まっていく生活にも違和感を覚えるようになったという。

「だったらもう、自分でやったほうが早いんじゃないか。自由度も高くなるし、自分の裁量で動けるからこそ、もっといい仕事ができるはずだと思ったんです。」

その想いが、独立を後押しする決定打となった。
その言葉には、キャリアを自分の手に取り戻したいという率直な決意がにじんでいた。そして新たに選んだテーマが、「資金調達 (ファクタリング・ビジネスローン)」となった。

「借金って、悪いものだと思われがちなんです。でも僕にとっては、時間とビジネスキャリアの前倒しという感覚なんです。」

借金や融資をリスクと捉えるのではなく、未来への投資と捉える――その視点の転換が、いまの事業の核になっている。

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立ち上げたのは、法人の資金繰りに関する悩みをサポートするメディア。ファクタリングやビジネスローン、補助金制度など、情報が錯綜しがちなジャンルを「噛み砕いて、正確に」伝えており、既に業界No.1の実績を築いている。
実際、大野さんは、自身の事業立ち上げ時に大きな借り入れをしたという。

「借金が個人の借り入れで、生活やギャンブルとかに使ってますっていうのは、あまり良くないと思うんですけど。僕の例で言うと、うまくいってるっていうのもありますけど、1000万、2000万借り入れたとしても、1年後には数億円のビジネスができたみたいな。それ、お金がなかったらできてないよね、っていう感じなので。」

借金=リスク・悪いもの、という一般的な感覚に対して、それとは異なる「もうひとつのリアル」が、彼の経験から語られていく。

「デットファイナンス(借入)でもいいと思うんですよね。エクイティファイナンスで株式を放出して、株主を入れて、それをやるメリットがあるのか。そこまでお金を使う必要があるのか。と、冷静に考えていくのが大切だと思います。起業するなら、スタートアップ作るならエクイティ(株式資本)で資金調達みたいな。そういう発想を持ってる人もいるかもしれないけど、それだけにこだわらなくても良いかなと思います。今は経営者保証なしの融資制度もありますし。」

リスクを避けるよりも、見極めて引き受ける。無理をするより、構造を理解して判断する。彼のスタンスは、決して無鉄砲なものではなく、合理性と現実性に裏付けされたものに見える。

 

劣等感を抱えながら、とにかく行動し続けた 

そんな大野さんは、どんな生い立ちから人生観をつくりあげてきたのだろうか。ふと聞いてみると、

「それでいうと、劣等感がすごく強い人間だった。僕、頭がいいタイプじゃないんですよ。いい大学も出てないし、めちゃくちゃ裕福だったわけでもない。」

静かに語るその言葉には、自嘲でも開き直りでもない、素直なまなざしがある。

「双子で生まれて、外食もほとんど行かないような家庭で育ちました。」

教育格差という言葉が現実味を帯びてくるような環境で、それでも彼は、何かを変えたくてもがいてきた。

「このレールから抜け出したいって、強く思ってたんですよ。30歳までに1000万円稼ぐっていうのが、1つのマインドでした。」

そんな思いを持った大野さんは、学生時代はとにかくガムシャラに行動し続け、その中で印象に残っている経験があるという。

「完全歩合制の携帯販売を経験する中で、2ヶ月間まったく契約が取れなかった時期がありました。本当に辛かったですよ。他の人が契約を取ってるのに、自分だけ0件。なんか、修行だなって思いました。」

やめたくなかったわけじゃない。でも、「結果が出るまでやってみよう」と、6ヶ月間、ただひたすらに目の前の仕事に向き合ったと語る。

「そんなに賢くないって思っていたから。だったら、人よりやるしかないなって。」

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そんな姿勢は、就職活動の場面でもにじみ出る。大学4年の4月、すでに就職先は決まっていた。だが、インターンとして社内の空気に触れるうちに、ある種の違和感を抱くようになる。同期や先輩のレベルをみた時に、「自分が本当に得たい経験が、ここにあるのか」と考えはじめた。10月、内定を辞退。
その翌月、再び就職活動を始める。数社の説明会に足を運ぶ中で、ある企業の説明会でこう尋ねた。

『何時まで働けますか?』

その場では特に何も言われなかったが、後日社長から最終面接で「こいつやばいな。気合い入ってると思った」と言われたそうだ。

「確かにそれを質問で聞くのはなかなか、度胸があったのかもしれませんが、とにかく飢えていた。何かに飢えていたんです。」

年が明けて1月、その企業から内定の連絡が届く。新卒としてのキャリアは、そこから始まった。

「動ける人が一番強いなと思っていました。本気でやってる人、意外と少ないですから。」

事業をつくる、仕事を生む、人を巻き込む。

「選択肢をミスしても全て折れ曲がるとかないので、やりながらでいいんじゃないかなと。」

リスクを避けるのではなく、理解すること。そうすれば選択肢は目に見えているものより遥かに多いのかもしれない。

 

自分に、正直であること。選択肢を広げていくこと。

「何の経験を得たいか?」問いの起点は、いつもそこにあるという。

うまくいかなかった日々も、劣等感と向き合った時代も、振り返ればすべてが今につながっている。自分の過去を責めず、未来を過大評価せず、それでも「今」を着実に積み重ねていく。そんな姿勢が、大野さんの言葉の端々ににじんでいた。
大野さんがこのインタビューやJAVOアカデミーに応じてくれたのは、ソーシャルビジネスへの関心が大きなきっかけだったという。

「知人の方が『働く意欲の高い若者が少ない』ということを話していたんです。これは課題だなって、思ったんですよね。あとは、僕自身が若いとき、もしこういう話を聞けていたら、もっと早くキャリアの選択肢が広がっていたと思います。」

資金調達の支援という専門的な領域を扱いながらも、その根っこにあるのは「選択肢を増やすための手段を届けたい」という想いが滲み出ている。
私たちはつい、「正解のある道」を探してしまう。しかし、本当に必要なのは、自分にとっての「問い」に耳を澄ますことなのかもしれない。

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