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SDGs(持続可能な開発目標)の曖昧さと達成不可能性

きれいな夕焼けの写真

こんにちは!JAVOメディアライターの渡辺です。
みなさんがここ最近よく耳にするであろう”SDGs”という言葉ですが、なんとなくしか知らないという方も少なくないと思います。イメージとして、より良い地球環境を作ろう、差別を無くそう、そういったゴールがあるのはご存じかと思います。
このゴールを達成しようと近年政府、自治体、個人、多くの人が少なからず注力し始めているはずです。でも一度冷静に立ち止まって考えてみると、そのゴールは果たして意義のあるもので、達成可能なのでしょうか?
この記事では、あえて批判的な立場もとりつつ、考察してみようと思います!

 

そもそもSDGsとは?

SDGs、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)は、2015年に国連で採択された2030年までに達成を目指す17の目標からなる国際的な目標です。これらの目標は、地球環境の保全、人類の生活改善、経済成長のバランスを取ることを目的としていて発展途上国だけでなく先進国も取り組むべき課題を含んでいます。
主な目標としては、貧困解決、教育格差是正、ジェンダー差別解消、気候変動対策、衛生環境整備などがあります。
SDGsの前身にMDGs、ミレニアム開発目標というものが2000年に採択され2015年達成を目標に、極度の貧困や飢餓の撲滅、初等教育の普及、女性の地位向上、乳幼児死亡率の削減、妊産婦の健康改善、感染症の蔓延防止、環境の持続可能性の確保、そしてグローバルなパートナーシップの構築の8つを掲げていました。

木と風車の画像

 

SDGsの問題点1

SDGsの抱える課題の一つとして挙げられるのは、その目標が曖昧で壮大すぎるという点です。多くの目標は、具体的な説明が付されているものの、一部には「改善」や「軽減」といった抽象的な表現が使用されており、達成基準が不明瞭な場合があります。この曖昧さが各国の解釈に幅を持たせる反面、誤解や矛盾を生む原因にもなっています。また、目標設定が漠然としていることで、国民の取り組む意識を維持し続けることが難しいという問題も無視できません。こうした背景は、SDGsの前身であるMDGs(ミレニアム開発目標)にも共通していました。

MDGsは発展途上国の水準向上を主な目的として掲げられた目標でしたが、全ての項目が達成されたわけではなく、多くの未完項目を残したまま終了しています。この背景には、MDGsの目標そのものが壮大で曖昧であったことが影響しており、SDGsも同様の問題を抱える可能性が指摘されています。実際、SDGsが掲げる目標の中には、達成が難しい、もしくは事実上不可能な項目が含まれていると考えられるものも存在します。そのため、SDGsが達成期限を迎えた際、また新たな目標が掲げられ、同様の課題が繰り返される可能性が高いと懸念されています。

本来、地球環境の保護や社会的課題の解決には終わりはなく、持続的な努力が求められることは言うまでもありません。目標は相互に関連し、連鎖するべきものですが、期限を設定した目標を達成できなかった場合にその意義を問われるのもまた事実です。達成できない目標が多い状況が続けば、結果的に市民の意識が低下し、社会全体の士気が下がる可能性は避けられません。これは、持続可能な未来を目指すという理念そのものの実効性を弱めるリスクがあると言えるでしょう。SDGsの課題には、より現実的で具体的な目標設定と、それを支える適切な評価基準が必要不可欠です。

 

SDGsの問題点2

企業に焦点を当ててSDGsを考察すると、また新たな課題や問題が浮かび上がってきます。この文章ではあえて批判的な観点から述べますが、近年の社会において、SDGsが必ずしも全てにおいて良い方向に機能しているとは言えない一面があります。現代ではSDGsがあたかも「絶対善」のように語られ、その実行が当然の義務であるかのような風潮が見受けられます。このため、個人が本当にそれを必要とするかどうか、またどう実践すべきかをじっくり考える時間や機会が与えられないまま、「SDGsに取り組むのが正しい」という価値観が広まっているのです。この傾向は、企業の行動にも影響を与えていると言えます。
その結果、多くの企業がSDGsを採用し、自社の社会的責任や還元活動の証明として用い始めています。一見すると、これは良い流れのように思えますが、実際には別の問題を引き起こしています。特に注目すべきは、SDGsを商業的な目的で利用し、表向きのイメージアップを図る「SDGsウォッシュ」と呼ばれる行為です。この「SDGsウォッシュ」とは、企業がSDGsへの取り組みを公表し、その理念に賛同しているかのように見せる一方で、実際の活動が目標達成に寄与していなかったり、逆に環境や社会への負荷を減らしていないという問題を指します。
こうした問題が生まれる背景には、SDGsの目標自体が抱える曖昧さや壮大すぎる性質が影響していると考えられます。具体的な達成基準や明確な評価指標が欠けているため、企業が「SDGsに取り組んでいる」と主張しても、その取り組みが実質的に何を意味するのかがわかりづらいのです。さらに深刻な点として、企業が一時的なイメージアップを目的にSDGsを利用している場合、その活動が実際には環境や社会への負荷を削減しておらず、長期的には逆に深刻な問題を引き起こす可能性があることが挙げられます。
たとえば、環境保護を掲げる企業が、実際には製品のライフサイクル全体を通じて多大な環境負荷をかけている例もあります。このような矛盾が積み重なれば、SDGs自体の信頼性が損なわれ、将来にわたって取り返しのつかない結果を招く恐れがあるのです。表面的な取り組みではなく、真に持続可能な未来を目指すためには、企業の姿勢や取り組みの実質的な内容を厳しく精査し、評価する仕組みが必要だと言えると思います。

スーツを着た人の写真

 

まとめ

普段みなさんがよく耳にするであろうSDGsについて、良いように語られている裏に問題点があることを少しでも認識いただけましたでしょうか?多くの情報がみなさんを圧倒し考える隙を与えず、無意識に”善”とされる方向に操られているかもしれません。そんな時代でも、みなさんに能動的に何が正しくて、何を守るべきなのか一度考えて頂きたいのです。決してSDGsを破っていい、環境保護が不要といっているわけではないです。ぜひこの記事を読んでこういう考えもあるのだなと知っていただけたら幸いです。みなさんの多面的な捉えがより具体的、意義的、達成可能性のある新たな目標を生み出すきっかけになるのを楽しみにしています!
最後まで読んでいただきありがとうございました。

参考文献
SDGsへの反対意見とは? 指摘される問題と対策についても解説 | ELEMINIST(エレミニスト)

 

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