1. HOME
  2. ブログ
  3. JAVOサポーター
  4. 日本が他の先進国に比べて移民が受け入れられない理由

JAVOメディア

~今と、明日とミライへ。~

JAVOサポーター

日本が他の先進国に比べて移民が受け入れられない理由

こんにちは、JAVOメディアライターの本多です。
この記事では、みなさんが日本人として今後どのように政治に参加し、日本が抱える多くの問題の1つとして、日本の移民問題についてお話しします。そして、今後どのような形で若者たちが政治に関心を持ち、参加できるようになるのかを一緒に考えることができればと思います。

はじめに

いきなりの話ですが、みなさんは都市や観光地などで外国人の方を見かける機会が増えていると感じたことはないでしょうか。近年、日本では移民問題が社会的・政治的な関心を集め、政府の政策においても重要な課題の一つとなっています。例えば2025年の参議院選挙では、移民受け入れに慎重な姿勢を見せる「日本人ファースト」を掲げた参政党が議席を伸ばし、注目を浴びました。

しかし一方で、日本人だけでは経済を維持することが難しいという現実もあります。労働力不足や人口減少という背景から、外国人の受け入れを拡大せざるを得ない状況に直面しています。本稿では、日本の移民問題の現状とその背景、そしてなぜ日本では他の先進国ほど移民が受け入れられないのかを考えていきたいと思います。

 

日本の移民問題の現状と背景

日本政府は長らく「移民政策はとらない」という立場を示してきました。しかし実際には、外国人労働者や留学生を中心に、多くの外国人が日本で生活しています。

2024年の時点で、日本に在留する外国人は約350万人に達し、総人口の約3%を占めています。これはアメリカの10%以上、ドイツの約30%と比べるとまだ低い水準です。しかし、日本においても確実に外国人の存在感は増しています。

この背景には、日本社会が直面する少子高齢化と人口減少があります。日本の総人口は2010年をピークに減少へ転じ、出生率も長期的に低下しています。その結果、労働力不足が深刻化し、製造業、建設業、介護、農業などで外国人労働者の存在が不可欠となっています。

 

なぜ日本は移民を受け入れにくいのか

1. 単一民族国家という意識

日本では「日本は単一民族国家である」という意識が根強くあります。歴史的に、同じ文化・言語・習慣を共有することが当然とされ、多様性を受け入れる経験が少なかったのです。そのため異なる文化や価値観に対して抵抗感を持つ人が多く、多文化共生が進みにくいのが現状です。

2. 言語の壁

日本語は習得が難しく、国際的に使用できる言語ではありません。そのため、移民希望者にとって日本は「住みやすい国」ではなく、他の英語圏やヨーロッパ諸国を選ぶ人が多い傾向があります。特に第二世代の教育や就職において、日本語力が壁となり、移民の定着が難しくなっています。

3. 社会的偏見と差別

日本では外国人に対するネガティブなイメージがメディアやインターネットで拡散されやすく、ヘイトスピーチや差別的言動も問題になっています。こうした社会的な偏見は、移民が地域社会に定着することを妨げ、共生の障害となっています。

4. 歴史的な移民経験の乏しさ

アメリカやカナダは建国の過程から移民国家であり、多様性を前提に社会が作られてきました。ヨーロッパ諸国も長い歴史の中で移民や難民を受け入れてきた経験があります。一方、日本は島国であり、歴史的に大規模な移民の流入が少なかったため、多文化社会を受け入れるための制度や意識が十分に整っていません。

5. 政策の中途半端さ

日本政府は「移民政策はとらない」と言いつつ、実際には技能実習生や特定技能制度を通じて外国人を受け入れています。しかしこれらの制度は「労働力不足を一時的に補う」ことが目的であり、長期的な定住や市民権の取得を想定していません。そのため、移民政策としての一貫性に欠けており、結果的に外国人が安定した生活を送ることが難しくなっています。

 

移民問題が日本社会に与える影響

経済への影響

外国人労働者は介護や農業、建設など人手不足が深刻な分野で重要な役割を果たしています。彼らの存在がなければ、これらの産業は立ち行かなくなる可能性があります。一方で、低賃金労働に依存する構造が温存されるリスクも指摘されています。

教育への影響

外国にルーツを持つ子どもたちが増える中、日本語教育の不足や進学機会の格差が問題となっています。適切な支援がなければ、次世代の外国人コミュニティが社会に根付かず、分断を生む可能性があります。

地域社会への影響

地域によっては外国人住民が増え、国際色豊かなまちづくりが進む一方で、文化摩擦や生活習慣の違いからトラブルが起きるケースもあります。共生のための制度設計と市民レベルの相互理解が求められています。

 

今後の課題と展望

日本が今後、移民を受け入れていく上で重要なのは、単なる労働力としてではなく「共に暮らす仲間」としての視点を持つことです。
• 言語支援の充実:日本語教育を国の制度として整備すること
• 法的安定性の確保:長期的な在留や永住への道を明確にすること
• 教育・医療・福祉へのアクセス改善:外国人も安心して生活できる仕組みを作ること
• 多文化理解の推進:学校や地域で多文化教育を広めること

これらを進めることで、日本社会はより持続可能で開かれた社会へと発展していく可能性があります。

 

おわりに

日本の移民問題は、単なる「外国人を受け入れるかどうか」という議論ではなく、私たちがどのような社会を目指すのかという根本的な問いでもあります。人口減少と高齢化が進む中、移民は避けられないテーマです。大切なのは「数を増やす」こと以上に、「どう共生していくか」を考えることではないでしょうか。
政治に無関心な若者も多いですが、この問題は私たち自身の未来に直結しています。移民問題をきっかけに、ぜひ政治や社会について考え、行動していく第一歩を踏み出してほしいと思います。

ボランティア証明書の発行はコチラ【ボランティア証明書発行(全NPO対応) | NPO法人JAPANボランティア協会 (javo.or.jp)

 

 

参考文献

法務省『在留外国人統計』(日本に住む外国人の人数データ)

総務省統計局『人口推計』(少子高齢化・人口減少のデータ)

OECD Migration Outlook(先進国間の移民受け入れ比較)

国連人口部(UN DESA)国際移住統計

https://www.worldvision.jp/children/report/20250325-390/index.html

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事