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農業とSGDs17の目標の密接な関係性と共存

こんにちは!JAVOメディアライターの渡辺です。みなさんが普段何気なくスーパー、コンビニで手にとっている野菜や果物、これらは農業により生産されていることは当然ですが、近年よく耳にするSDGsと農業には想像以上に密接に関係があるのを普段から認識したり、意識することはあまりないかと思います。そこで今回は、私自身の趣味の一つである家庭菜園での経験も交えて農業とSDGsの関係性や、共存について記していこうと思います!

現代の農業とは?

戦後からおおよそ20年ほど前の日本の農業は、現在の状況とは大きく異なっていました。特に、農業に従事していた人数は当時非常に多く、その中でも米農家の数は非常に多かったことが特徴的です。日本は食料自給率が低いことで知られていますが、特に米に関しては、農業の中で非常に重要な役割を果たしており、その自給率は異例の100%前後に達していました。この時期の米農家は、単に農業を営むだけでなく、国の食料供給の中でも中心的な存在だったと言えるでしょう。しかし、1971年から2018年にかけて行われた減反政策により、農業の風景は大きく変わりました。減反政策とは、米の過剰生産を抑えるために行われた施策で、具体的には田んぼを閉鎖したり、別の作物を育てるために畑に転作したりすることが求められました。この政
策の目的は、米以外の作物の生産拡大を図り、農業に従事する人々の多様化を促すことでした。こうした施策により、米以外の作物を生産する農家が増え、農業全体の構造が変化しました。それとともに、農業従事者の数が減少し、他の産業に転職する人々も増えました。また、近年では少子高齢化の影響を受け、農業の現場にも大きな変化が生じています。米農家のみならず、多くの作物生産者が高齢化し、後継者が不足しているという問題が深刻化しています。このため、農業の現場では供給が不足しつつあり、消費者の需要に対して供給が追いつかなくなるという状況が見受けられます。これにより、農業従事者の数が減り、生産活動そのものが低下することが懸念されています。昔の農業では、豊作貧乏という言葉がよく使われました。これは、生産過剰によって市場に供給される作物の量が増え、結果として市場価値が暴落するという現象を指しています。このため、農家は大量生産を行っても、収益が減少するリスクを抱えながら、市場の需要に応じた生産方法を試行錯誤していたのです。しかし、近年では供給不足が進んでいるため、状況は大きく変化しています。現在では、農業は販売方法よりも生産そのものに重点を置くようになってきています。
その具体的な例として、どれだけ多くの作物を生産しようとしても、実際には農業従事者が不足しているため、農家は生産そのものに集中せざるを得なくなっています。特に米を中心とした作物の生産においては、農家の数が減少しているため、市場に供給される量が限られており、販売の方法はJA(農業協同組合)に依存するケースが多くなっています。こうした背景から、農業は従来の販売方法を重視する方向から、生産活動に対する注力が強まっているのです。これからの農業は、どのようにして生産性を維持し、供給の安定性を確保するかが重要な課題となります。技術革新や効率化の進展が期待される一方で、農業従事者の高齢化や後継者不足に対する対策が急務となっています。これらの課題に対処するためには、農業の現場における新しいアプローチが求められるでしょう。

農業とSDGsの関連性

SDGs(持続可能な開発目標)とは、2015年に国連で採択された17の目標から成る国際的な取り組みであり、環境・社会・経済のバランスを取りながら持続可能な社会を形成することを目的としています。その中で、農業は単なる食料供給の手段として見られがちですが、実際にはそのやり方や普及の度合いがSDGsの多くの目標と密接に関連しており、特に貧困や飢餓の解決、経済発展、環境保護といった重要な課題に大きく貢献する可能性を秘めています。
SDGsの1つ目の目標である「貧困をなくそう」、そして2つ目の目標である「飢餓をゼロに」は、特に発展途上国において喫緊の課題となっています。アフリカや東南アジアの多くの国々では、農業が主要産業であるにもかかわらず、伝統的な農法に依存しているため、生産性が低く、天候や環境の変化に弱いという問題を抱えています。こうした地域で、先進国が培ってきた農業技術や効率的な生産方法を現地の農家に伝えることで、食料自給率を向上させ、安定した食料供給を確保することが可能となります。例えば、適切な灌漑技術の導入、耐病性や干ばつ耐性を持つ作物の開発と普及、機械化の推進などによって、農業生産性を飛躍的に向上させることができます。また、持続可能な農業のためには、農民への教育や研修を行い、環境に配慮した農法の導入を促すことが不可欠です。これにより、食料供給量の増加だけでなく、農業が国の経済成長の基盤となることも期待できます。
農業の生産性が向上することで、余剰農産物を国内外の市場に流通させることが可能となり、農家の収入向上につながります。これは、SDGsの目標8「働きがいも経済成長も」に貢献し、より多くの雇用を生み出すことにもつながります。特に、農業の発展は地域経済の活性化に寄与し、都市部への過度な人口流入を抑制する役割も果たします。また、目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」では、農業に関連するインフラ整備が重要な要素となっています。農業機械の導入、物流網の発展、食品加工産業の育成など、農業を基盤とした産業の多角化が求められています。特に、収穫後の農作物の品質保持や市場アクセスの向上を図るためには、道路や貯蔵施設の整備、適切な流通システムの構築が不可欠です。
さらに、目標10「人や国の不平等をなくそう」に関連して、持続可能な農業の普及は、農村部と都市部の経済格差の是正にもつながります。農民が適正な価格で作物を販売できる仕組みを整えることで、農業が安定した収入源となり、生活水準の向上が期待されます。
農業は経済成長の原動力であると同時に、環境に対する影響も大きい分野です。SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」や目標13「気候変動に具体的な対策を」では、持続可能な資源利用と環境負荷の低減が求められています。例えば、砂糖の生産過程で生じるサトウキビの廃棄物をバイオマス燃料として活用することで、化石燃料の使用を減らし、温室効果ガスの排出を抑えることができます。また、農業廃棄物の再利用として、作物の成長過程で発生する不要な葉や茎を堆肥化し、土壌改良に活用する方法もあります。このような循環型農業を推進することで、持続可能な農業と環境保全を両立させることが可能となります。
私自身、趣味の一つとして10年間家庭菜園を続けています。その中で、家庭から出る生ゴミ(卵の殻、果物の皮、野菜のヘタなど)を堆肥として活用することで、土壌の肥沃度を高め、収量を増やす工夫をしています。これは微力ではありますが、生ゴミの量を減らすことでゴミの運搬や焼却に必要なエネルギー消費を削減し、結果としてCO2排出量を抑えることにつながっていると考えています。このような取り組みは、発展途上国においても応用できる可能性があります。化学肥料に依存せず、自然由来の堆肥を利用することで、土壌の持続可能な管理が可能となり、長期的に見ても農業の生産性を向上させることができます。
農業はSDGsの多くの目標に貢献する極めて重要な分野であり、適切な技術と持続可能なアプローチを採用することで、貧困と飢餓の解決、経済成長の促進、環境保護の実現に寄与することができます。先進国が培った農業技術を発展途上国に普及させるだけでな
く、個人レベルでも持続可能な農業を実践することで、より良い未来を築くことができるでしょう。

まとめ

普段気に留めることの少ない農業という分野、理解しているつもりでもそのような側面もあるんだ!とこの記事を読んで学んでいただけたことが一つはあるのではないでしょうか?農業は想像しているよりも多くの可能性をひめた分野だと私は考えます。なぜならば、知識と人員さえあれば発展途上国でも先進国に発展させられる架け橋にすぐにでもなり得るからです。この記事が、農業的な面から発展途上国をサポートする考えや活動をするきっかけになれば幸いです!最後まで読んでいただきありがとうございました!

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参考文献
https://agrijournal.jp/production/47614/
https://gooddo.jp/magazine/sdgs_2030/29518/

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