ボランティア団体運営者が見た「福祉ボランティアの現状」
私は、大学でボランティア活動に参加し色々な経験をさせて頂いたことがきっかけで現在、「たすけ愛サークル」というボランティア団体を運営しています。主な活動は、福祉施設におけるイベント補助員、献血協力・献血の普及啓発活動、レッドリボン活動(HIVウイルス感染者に対する差別偏見をなくそうという活動)、イエローリボン活動(障害者にとって心身ともに豊かに生活できる社会について考える)、3R活動(プルタブ・アルミ缶を回収し車いすにして寄贈する活動)を行っています。
今、世の中には我々たすけ愛サークルのような「福祉のボランティア」を行う団体はどのような活動を行っているのかについて簡単にまとめました。
NPO法人 長崎県難病連絡協議会 難病相談・支援センター
この長崎県難病連絡協議会(以降 難病連)との出会いは、昨年10月に「ベーチェット病」という指定難病を発症したときでした。全国各地に存在し、難病患者だけではなく、患者家族、支援者などに医療や福祉に関する相談や情報提供を行っている団体です。
〇難病カフェ
難病連の取り組みの一つに、「難病カフェ」というものが存在します。難病は読んで字のごとく、治すことはもちろん、理解を得ることも、普通に生活することも、仕事を自由に選ぶことも難しい病です。そんな難病患者ばかりの雑談の場を提供しているのが難病カフェです。参加は自由、会費は無料です。月に1回それぞれ思い思いに談笑し、病気についての情報交換を行っています。
〇相談支援業務
難病連の大きな役割の一つに、難病患者のその家族などの支援があります。支援内容は主に医療や福祉、就労に関することです。行政、職業安定所、地域包括支援センターなど様々な関連施設と連携し情報を提供します。
佐世保市ボランティアセンター
私たち、たすけ愛サークルが所属している佐世保市ボランティアセンターでは、ボランティア活動を集約し、各地の個人ボランティアやボランティア団体に参加の呼びかけを行っている施設です。
〇ボランティアを広める
ボランティアセンターの役割は呼びかけだけではありません。ボランティアを広める活動として、ボランティア初心者を集めた研修会などの主催も行っています。人数に限りはありますが参加は無料です。ボランティアに興味がある方は個人ボランティアとして登録し、研修を受けてみると違った視点で感じられるのではないかと思います。
〇定期新聞「くれよん」の作成
ボランティアセンターに登録した個人ボランティアや団体は、活動ごとに報告書を提出します。この報告書は年度の実績として残す以外に、ボランティアセンターから毎月発行される新聞に掲載され、各登録ボランティアに届けられます。
活動報告だけではなくボランティアの豆知識や、活動時に持っておくと便利なものなどちょっとした知識がふんだんに掲載されているので勉強にもなります
身体障害者協会連合会
身体障害者協会連合会(以降 身障連)は、主に身体に障害を持った方々の支援を行っています。我々たすけ愛サークルが定期的にボランティアとして出向させて頂いている団体の一つでもあります。
〇企画の充実
身体に障害をお持ちの方の大きな悩み、それは我々健常者のように自由に動き回れないことだと思います。身障連では、四季に応じた企画が充実しています。法人スタッフも障害者介護のスペシャリストばかりで、春はお花見、夏は納涼会、秋は紅葉ドライブ、冬はお茶会など皆様、普段は見せないようなはじける笑顔で精いっぱい楽しんでおられます。
視覚障害者協会
身体障害者協会連合会の傘下ですが、視覚障害者協会はその名の通り視覚障害者の様々なサポートを行っている団体です。主に身障連と同じ活動を行っています。
環公害防止連絡協議会
奈良県にある団体で、主に3R活動で集まったアルミ缶やプルタブを回収し車いすに換える活動をしています。集まった資源を郵送し、車いすに換えたあと環公害防止連絡協議会から寄贈、もしくは車いすを返送してもらい元団体から寄贈といった活動です。
〇プルタブから車いす製造
私たちが、何気なく「ゴミ」として扱っているアルミ缶や缶についているプルタブですが、集めると車いすに換わる貴重な資源の一つです。プルタブおよそ800キロで車いす1台分と言われています。ご自宅で出た缶ジュースやビールの缶を捨てずに環公害防止連絡協議会へ送りましょう。あなたが集めたアルミ缶やプルタブの一部があなたの街のどこかで車いすとなって活躍する日が来るかもしれません。
おわりに
今回は、「福祉」の分野に切り取って紹介しましたが、ボランティアには様々なものがあります。たとえば「電車で席を譲る」これも立派なボランティアです。よく、ボランティアしませんかと呼びかけると「報酬がないから」と言われます。私にとって、活動において得られる「感謝」が何よりの原動力です。
ボランティアに大きい小さいはありません。あなたの「奉仕の心」が周りを笑顔にします。その笑顔が全国に、世界に広まれば困っている人は少なくなっていくと思います。
ぜひ、ボランティアに興味をもって視野を広げてみてください。色々な出会いと感動に溢れていますよ。ありがとうございました。
文 / Ryu
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