NPO法人ソーシャルアート市場(いちば)へのインタビュー
こんにちは!JAVOメディアライターの長田です。みなさん、アートを通じて社会に貢献したいと思ったことはありませんか?今回は「NPO法人ソーシャルアート市場」にインタビューを行いました。関わる全ての人々が、障害者アートを通じて社会参画のきっかけとなることを目指している団体です。
HP: https://socialart.my.canva.site
目次
1.ソーシャルアート市場の活動って?
ソーシャルアート市場は、アートを通じて関わる全ての人々の社会参画をサポートしている団体です。具体的には、障害者が自分のアート作品を作り、それを通じて社会とつながるためのプラットフォームを構築しようとしています。活動内容は2つに大きく分けられます。
1つ目は「チャリティーイベント」。全盲のアーティストが、相手と対話を通じて声色やその方が持つ空気感温度感などから、特徴を感じ取って描く「似顔絵制作」を行っています。どんなふうに手探りで似顔絵を描き、想いを語るのか。、そのプロセスを見ると、人間の可能性に驚かされます。この企画は、障害当事者に限らず、あらゆる人々への認知や認識向上のきっかけになっています。
2つ目は「ロイヤリティ活動」です。アート作品のライセンス販売を通じて、収益化を目指してます。さらに、オンラインでアート作品を販売できる仕組みを構築中で、これができるようになると、全国の障害者が自分の作品を世界中に自由に発信し、社会参画のきっかけを楽しみながら得られ、副次的に微細ですが収入を得ることができるようになります。アートを通じて経済的自立とまではいきませんが、ほんの少しだけ日常が豊かに、幸せになれる世界を目指しています。
2.NPO設立のきっかけとビジョン
このNPOが誕生した背景には、日本の障害福祉の課題があります。多くの障害者が社会から孤立し、支援制度だけでは十分にカバーしきれない現状に気づいたからです。これは、当事者と福祉だけの課題ではなく、取り巻く社会そのものや、関わる全ての人々や企業、全体の課題でもあると考えています。
その手段として、人類が創るもの全てを指す「アート」と、NPOというコミュニティの組み合わせは、課題解決に繋がるかもしれないと感じ、ソーシャルアート市場を設立しました。
現在は、「Art In The DARK」という全盲アートのコンテンツをを中心に活動していますが、将来的には聴覚障害者や難病者など、他の障害特性とコンテンツを組み合わせたり、障害特性がなくても社会参画に困難を感じている、例えば引きこもりの方々とデジタルフェスをやったりと、多様な人々にもアートを手段として活用したきっかけを広げていきます。
高校生や大学生のみなさんも、こうした活動を学びながら一緒に関わっていくことができるんです。
3.日本のNPOと持続可能な活動の難しさ
みなさんは、日本のNPO法人が平均で5年以内に解散することが多いと知っていますか?その理由は、経済の問題が大きいとされています。日本では、寄付率はわずか6%ほどで、欧米では60%という寄付文化がしっかりと根付いており、多くの人がNPO活動を支えています。
ソーシャルアート市場もこの課題に直面しているため、抜本的解決策として、「財団を通じて、サスティナブルな団体資金を確保する仕組み」を構築しています。この仕組みは、当団体のみならず、国内の非営利団体全体のクリティカルな打開策となることを信じています。
4.ボランティアの魅力とやりがい
ソーシャルアート市場の活動に、ちょっとした勇気で運営参加することも可能です。
障害者が自己表現し、それをサポートすることで、ボランティア参加された方が、これまで経験したことのない社会とのつながりを感じ、やりがいや達成感を得ることができます。
例えば、全盲者が描く似顔絵を間近で見ると、視覚障害というハンデを持ちながらも、素晴らしい作品が生まれる瞬間に立ち会うことができます。その瞬間に、障害者の持つ力を強く感じることができ、彼らの達成感を共有することができます。
ボランティアを通じて得られる「人々の笑顔」や「喜びの瞬間」は、ただ支援をする側としてだけでなく、自分自身にも大きな成長をもたらしてくれます。NPO法人ソーシャルアート市場では、ボランティアに関心のある学生を歓迎しており、一緒に活動してくれる仲間を常に募集しています。
5.高校生・大学生にできること
みなさんも、ソーシャルアート市場の活動に参加してみませんか?この団体は、高校生や大学生でも簡単に参加できるボランティア活動を行っています。例えば、イベントの運営サポートや広報活動、SNSを通じた情報発信など、若い世代ならではの視点を活かした活動も大歓迎です。
特に、アートやデザインに興味がある人にとっては、障害者のアート作品を広めるお手伝いができるチャンスです。アート作品を広めるためのアイデアを出したり、イベントの企画に参加したり、またデジタルスキルがあれば、団体のプラットフォームの立ち上げもお任せするかもしれません。みなさんのクリエイティブな力を発揮できる場がたくさんあります。
6.今後の目標とチャレンジ
今後のソーシャルアート市場の目標は、「Art In The DARK」という全盲アーティストたちのアートをもっと多くの人に知ってもらうこと。そして、他の障害がある人々にも、アートを通じた社会参加のきっかけを広げることです。最終的には、多様な障害特性×アートコンテンツが無数に出現し、アートのモールみたいな概念がデジタルで社会に提案したい。そうすると、ほんの少しだけ、もしかしたら隣に優しくなれる世界ができたらいいなと思っています。
高校生や大学生のみなさんが、このNPO活動に参加することは、単に障害者をサポートするだけでなく、社会全体に良い影響を与えることはもちろんのこと、自分自身への新しい気づきや、価値観醸成にもつながります。社会貢献を身近に感じられる活動を通じて、自分自身も成長できるはずです。
ソーシャルアート市場は、これからも活動の幅を広げ、財団構築や収益モデルの構築を通じて、持続可能なNPO活動を目指しています。ぜひ、みなさんもこの取り組みに参加し、社会がほんの少しだけよくなるきっかけ創りを共にしていきましょう!
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