東北大震災でのボランティア体験
私のボランティアの経験は、新卒で入社したとある精密機器メーカーにおける東日本大震災のがれき撤去です。
私は2011年、震災で日本が大きく混乱する中、就職活動をし、翌年の2012年に大学を卒業し、就職しました。
入社してボランティアとして伺った気仙沼では、いままでに見たこともない、想像を絶する光景が待ち受けていました。どこまでも続くがれき。戸惑う人々。ボランティアとして行ったので、迷惑をかけてはいけない。そんな思いを抱えながら、最初はただただ呆然とするしかありませんでした。どこから手をつけていいのかもわからない。
その中で、体力の限界までがれき撤去をし、地元の方々から、未だ震災の傷も癒えない中、復興に向けた想いを伺い、ある意味祈るような気持ちで活動を行いました。地元の方々との触れ合いが、ぼろぼろとなった体に活力を与えてくれました。
私は元々、自主的にボランティアを行うようなことはしておらず、会社の新入社員研修のプログラムの一環としてお世話になった形ですが、ボランティアとは、仕事や学校といった「本務」「義務」とは一旦離れ、一人の人間として何がしたいのか、どのように回りの人に貢献できるのか、改めて問い直すことのできる機会だと感じます。実際、私がそうでした。
そういった意味では、もし明日、重い荷物を持って困っている高齢の方に偶然出会えば、少し勇気をもって付き添ってお手伝いしよう、それもある種、小さなボランティアだと思います。ビジネスとしてお金をもらうことではなく、ちょっとした人助け、その延長線上にボランティアがあります。
日々仕事に忙殺される中で、人のために何ができるのか、忘れずに生活していこうと思わせてくれた経験、それが私にとってのボランティア経験です。
ボランティアに触れる機会が、自らであれ、企業からの強制という形であれ、そのような機会が新しい価値観や世の中への貢献、成長を促してくれたと思います。そういった意味では、どんな形であれ、ボランティアに触れる機会が増えていけばいいと思います。
JAVOの活動も、企業としてボランティアへの参加人数や時間数などの集計を行い、ボランティア証明書という形で発行することで、企業のCSR活動をより公的なものとして捉えることができると思いますし、ボランティアに触れる機会を増やしてくれる素晴らしい活動だと思います。
企業でボランティアを行っていた私の会社も、きっと大学生が就職活動でボランティア体験について語ってくだされば、それは真摯に受け止めながら面接を進めることができると思います。また、ボランティア証明書という形でそれが公的に証明されていれば、就職活動を進める上でも重要な位置付けになるものと感じています。
JAVOのそういった活動を応援させてもらえればと、今回のボランティア体験の寄稿を引き受けました。
大学生という立場でボランティアに触れる機会が増えれば、将来を選択する上で、新しい観点を得ることができるのではないかと思います。
学生のみなさんも、就職活動ぜひがんばってください。
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