【体験談】移民の方との交流活動で見えた日本社会の課題と可能性

こんにちは!JAVOメディアライターの高木です。今回は、私が参加している「移民の方との交流活動」について紹介していきます。ぜひ、最後まで読んでいただけたら嬉しいです
目次
■ 活動を始めたきっかけ
私がこの活動に関心を持ったのは、高校1・2年生の時に参加したカナダ研修がきっかけです。もともと「英語を話せるようになりたい!」という思いからスタートした研修でしたが、現地での生活を通して、語学以上に大切なものをたくさん得ました。
カナダでは、宗教や文化、価値観が異なる人々が日常的に共に生活しており、それぞれの違いを尊重しながら共生する姿勢が根付いていました。私にとって特に印象的だったのは、初対面でも臆せず声をかけ、違うバックグラウンドをもつ人とも自然に交流を深めていく空気感でした。日本ではなかなか経験することがなかったこの環境に、最初は戸惑いもありましたが、次第に「違いを楽しむこと」や「価値観をアップデートすること」が自分の中でも当たり前になっていきました。
また、語学力に不安がある中で、完璧な英語を話そうとしなくても、伝えたいという気持ちと姿勢があれば意外と通じ合える、ということも学びました。この経験を通して、「言語」は単なるツールではなく、人と人との心をつなぐ“橋”のような存在であると実感しました。
この体験をきっかけに、私は将来、言語を通して異文化をつなぎ、海外の方が日本社会の中で安心して暮らせるようにサポートする仕事に就きたいと思うようになりました。中でも「日本語教師」という職業に強く関心を持ち、現在もその目標に向かって学びを続けています。
■ 活動内容と目的
この活動では、実際に日本に移住してきた方や、これから移住を予定している外国籍の方とオンラインで交流し、移住に伴って感じた困難や、日本で生活する上で必要だった支援・サービスなどを聞き取り、それらの情報をもとにパンフレットを作成しています。
パンフレットの目的は、日本に来る外国人の方々が、来日前から日本での生活を具体的にイメージでき、安心して新たな一歩を踏み出せるようにすることです。
外国籍の参加者は4名、それぞれの方に対して学生グループが1組ずつ付き、週に1回、丁寧にインタビューを行いながら活動を進めています。
■ 実際の交流から見えてきた課題
交流の中で、さまざまな国から来た方々が直面してきた課題や、文化の違いから生まれる戸惑いを、率直に語ってくれました。
・言葉の壁が依然として大きい
地方では多言語に対応した案内表示が少なく、役所の手続きや病院での対応に困ったという声がありました。日本語が話せない状態では、情報が入手しにくく、生活基盤を整えるのが非常に難しいという現実を改めて知りました。
・日本語学習の場が限られている
「日本語は独学で学んでいる」という方が多く、無料で学べる教室や学習支援の情報が届いていない現状があります。「学びたい意欲があっても、どこに行けばいいのかわからない」という声も多く、教育支援の広報不足が課題と感じました。
・気候や文化の違いへの驚き
ケニア出身の方は暑さに慣れていると思っていたものの、日本特有の高温多湿には驚いたそうです。さらに、「四季がある国に来たのは初めて」と語る方もおり、季節ごとの生活スタイルや注意点を事前に伝えることが重要だと感じました。
こうした声を受けて、私たちのグループでは、来日予定の方々に役立つ情報をカテゴリー別に整理し、「日本の生活で注意すべきこと」「困ったときに頼れる機関」「日本語学習のサポート」などの情報をわかりやすく紹介するパンフレットを作成しています。私は特に「日本語教育支援」のコーナーを担当し、各地の支援団体や学習の機会をまとめる作業を進めています。
■ 活動を通して得た学びと展望
この活動を通じて、教科書では学べない「現場の声」に触れることができました。日本で暮らす外国人の方が、どんな場面で不安を感じるのか、どのような支援が本当に必要なのかを直接聞くことで、日本語教育に携わる人間としての視野が大きく広がりました。外国の方はすごく日本語が上手なのですが、ほとんどの会話を英語で行うので、オンラインでの対話では英語で会話することを意識しました。そこには、海外での研修で培ってきたものを生かすことが出来たような気がしています。
また、私自身が感じた「言葉の力」と「異文化理解の大切さ」を、今度は他の人にも感じてもらえるような活動にしていきたいと思うようになりました。将来、日本語教師として、ただ文法を教えるだけでなく、その人の背景や思いに寄り添い、言葉を通じて一人ひとりの生活に寄り添える存在になれたらと考えています。
この交流活動は、その第一歩として、とても意義深い経験になっています。今後もこの学びを活かし、多文化共生社会の実現に少しでも貢献できるよう、努力を重ねていきたいです。皆さんも、この記事を読んで自分たちに出来ることを見つけてくれると嬉しいです。
以上になります。最後までご覧いただき、ありがとうございました😊
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