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JAVOメディア

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ボランティアインタビュー

NPO法人ボウタカの代表理事米原さん・学生理事酒井さんへのインタビュー

NPO法人ボウタカの集合写真

こんにちは! JAVOで学生ボランティアとして活動している浦野です。

今回は、NPO法人ボウタカの代表理事の米原博章さんと現役学生ながら理事を務める酒井梨奈さんに、お話を伺いました。NPO法人ボウタカは、全てのボウルター(棒高跳に関わる全ての人)の「もっと高く跳びたい」を叶え、棒高跳を通じた喜び、感動、そして成長する機会の創造を目的として活動されています。

HP:https://boutakachannel.amebaownd.com/

 

では、インタビュー内容をご覧ください!

 

1.活動内容

日本の棒高跳関係者の「もっと高く跳びたい」という思いを叶えるために、「情報発信」「選手・指導者の育成」「教室や交流会の開催」「用具管理」「研究調査」の5つを軸に活動しています。

 

それぞれについて深堀していきます!

 

 

・情報発信

 

「質の高い情報を届ける」を目的に、Webサイト・SNS・フリーマガジンを通じて情報発信をしています。NPO法人ボウタカの前身である「Boutaka Channel」から続けている活動です。当初は、国内の棒高跳関係者に対して、米原さんが学生時代に行なった研究や国内外で得た知見などを発信していたのが始まりです。今は、より多岐にわたる切り口から棒高跳のコンテンツを発信しています。

 

・選手・指導者の育成

国内にいるすべてのボウルター(約3000人の選手・約300チーム)を対象としています。日本で棒高跳をしている学校やチームをまとめた「ボウタカMAP」を管理し230チーム(2024年8月現在)が登録されています。(https://boutakachannel.amebaownd.com/pages/5938443/page_202204122035

 

ボウタカゼミのオンラインMTGの写真

テーマを決めて選手や指導者が一緒になってディスカッションを行い、学びを深める『ボウタカゼミ』というオンラインセミナーを主催したりしています。コロナ期間中は、この     オンラインでの交流が活性化しており、ボウルターの居場所となっていました。

2024年からは、より多くの選手が競技に打ち込める土台として『Headwinds』というクラブチームを創設しました。

 

・教室や交流会の開催

ボウタカキャンプの集合写真

主な活動は『ボウタカキャンプ』といった棒高跳の選手や指導者のためのトレーニングキャンプの主催です。2024年8月に4回目を迎える企画で、香川県にある国内でも珍しい屋内棒高跳施設で開催しています。一般的な合宿や練習会は地域ごとに行われるケースがほとんどです。ボウタカキャンプでは、日本全国(海外選手の参加実績もあり)の選手や指導者を対象にしています。また、NPO法人ボウタカのネットワークを駆使して、国内外からエリートコーチを招聘しています。まさに、地域を跨ぎ、指導者や選手たちが1つの拠点に集まり、棒高跳について深く学び、そして成長が生まれる、そんな機会を提供しています。

 

・用具管理

みんなのポールを管理している写真

代表的な活動は「みんなのポール」という事業です。全国を見てもユニークな活動です。棒高跳で使われるポールは1本約10〜20万円が相場です。成長に合わせてサイズを変えるため、中学生から大学生の間に選手一人につきだいたい20本が必要になります。このことが原因で、なかなか適切なポールが揃えられずに良い成果を得られなかったり、競技を断念したりという結果が生まれています。そうした     課題を解決するために始めたのが、NPO法人ボウタカでポールを保有し、安価で選手たちにポールをシェアする「みんなのポール」事業です。また、この取り組みは、日本陸上競技連盟のSDGsプログラムでも表彰されています。

 

・研究調査

様々なバックボーンを持つメンバーの中には、大学教員など、研究を行っている人たちがいます。彼らはNPO法人ボウタカをプラットフォームとして、ここでしかできない研究調査を行い、毎年、論文をあげています。棒高跳は競技人口が少ないためサンプル数を集めづらく、研究対象になかなかなっていない種目です。ボウタカが持つネットワークにより、個々人では難しい研究調査にも挑戦できる環境です。

 

2.始めたきっかけ

ボウタカチャンネルを指差してアピールしている写真

米原さん:研究や、国内の選手や指導者との交流、留学中に現地の知見を手に入れた時に、「一人がこれを全て持っていても何も前に進まない」と思いました。情報は共有しなければならないし、人間は人間とつながっていかないと競技のコミュニティは豊かになりません。もし、競技力を高めたいという新しい選手が生まれても、自分と同じ道を何年もかけて通るのは大きなタイムロスになります。そうした環境を変えるために、2017年に前身となる「Boutaka Channel」を設立して情報発信を始めました。

 

情報発信を行う中で、国内で棒高跳を通して色々なことをやりたいと考えている人から声がかかるようになりました。例えば、「練習会にコーチとして参加してほしい」という要望や「イベントの企画を一緒にしましょう」という提案をもらう中で、個人の活動では手狭だと感じました。加えて、何かできることがあると思ったため、みんなで棒高跳を盛り上げるプラットフォームである『NPO法人ボウタカ』を2021年に設立しました。(https://youtu.be/bVfQv2iNKZQ

 

酒井さん:高校時代から棒高跳を行なっていましたが、3年生の時に怪我をして陸上をやめるつもりでした。しかし物足りなさを感じて、大学入学から3週間後には陸上部へ入部していました。この経験を通して、改めて自分が棒高跳を好きだったのだと知ることができました。陸上部の見学に行った際、コーチがNPO法人ボウタカの理事をしており、声をかけていただきました。最初は、「棒高跳を何とかしていくぞ!」という熱い想いを持った面白そうな集団だと思い、この人たちとなら面白い活動ができそうだと感じて入ることを決意しました。

棒高跳サミットに参加した際の写真

(2024年)1月にアメリカで開催されている「棒高跳サミット」に参加しました。日本でも同じようなことがしたいという気持ちと、NPO法人ボウタカのマネジメントに注力したいという想いから、2月に選手をやめました。今は理事の活動をしながら、Instagramの運営やYouTubeのボウタカラジオへの参加などSNSを中心に活動しています。ボウタカラジオでは、全国の棒高跳関係者を招き、各地域の棒高跳事情について発信しています。

 

3.活動のやりがいと大変さ

ボウタカ会のオンラインMTGの写真

酒井さん:色々な方とたくさん出会えることが一番のやりがいです。NPO法人ボウタカが主催する交流会「ボウタカ会」などで、全国各地の人と巡り合えています。陸上競技の中でも棒高跳という種目だけが、こうした活動を行っていることにとても魅力を感じています。棒高跳は、マイナー競技で人口が少ないといわれていますが、そうした繋がりができることは棒高跳の特権だと思います。「NPO法人ボウタカの子ね!」と言ってもらうこともあり、入ってよかったと感じています。NPO法人ボウタカのメンバーは棒高跳が大好きで、みんなが「棒高跳界をなんとかしたい」といった熱い想いを持ち、棒高跳界を盛り上げるためにはどうすれば良いのかを常に考えて行動している集団です。だからこそ大変なことも楽しめていますし、辛いと思うこともないです。

 

米原さん:「ボウタカのおかげで跳べました」という人たちと、競技場などで実際に会えることがやりがいです。自分たちのテーマである、「日本のボウルターのもっと高く跳びたい」を叶えることができていると実感しています。競技場に行くと、知らない選手が「いつも見てます」や「〇〇ができるようになりました」と報告してくれることも多いです。選手だけでなく指導者からも、同じように声をかけてもらえます。NPO法人ボウタカがなければできなかったことが、少しでも起こっていることがやりがいになっています。

 

代表として、全国散り散りのメンバーをまとめるマネジメントは、難しいと感じることもあります。一方で、それぞれの事業は、今いるメンバーの特技を軸に展開している点や、またメンバーでは難しいことは、外部から協力者に応援を頼見ながら活動をしており、今の所ノウハウ的に大変だったことはないです。様々なバックグラウンドを持つ多様なメンバーが関わっていることは、NPO法人ボウタカの強みであり活動のしやすさにも繋がっています。

 

4.印象に残っていること

ボウタカの集合写真

酒井さん:2023年11月に開催したオフ会で、いつもオンライン上でつながっているメンバーと、対面で会えたことが一番嬉しかったです。全国各地に散らばっていて年齢層も幅広いので、試合でも被らない世代の人も多いです。だからこそ、オフ会で実際にNPO法人ボウタカのメンバーと対面で会ったことで、つながりをしっかりと感じることができました。

ボウタカキャンプ2023夏の写真

(ボウタカキャンプ 2023 夏)

ボウタカキャンプの集合写真

(ボウタカキャンプ 2024 冬)

 

米原さん:ボウタカキャンプは全ての回が印象的です。その中でも、2023年の夏のボウタカキャンプではアメリカからコーチを連れてきて、5日間にわたって約60人が参加した会となりました。これをやり切ったことは組織として大きな自信になりました。アメリカのコーチは自分が留学した際に教えてもらった恩師のような方で、彼を日本に連れてきて国内の選手や指導者に彼の経験を感じてもらうことができたので良かったと思います。また、NPO法人ボウタカより、多くのメンバーが企画・運営に携わるなど、組織としての強さが出せたのも印象的です。2024年2月のボウタカキャンプでは、日本記録保持者の澤野大地さんがコーチをしてくれました。この2回のキャンプは、かねてからやりたいと思っていたことが実現できたので、特に印象に残っています。

 

5.今後の展望

酒井さん:個人としての目標は、「棒高跳留学」として2025年をめどにアメリカなど世界中を巡ることです。海外の施設や練習環境、指導方法を実際に見て、日本にいる選手たちに情報を提供して「世界にはこんな練習環境や設備があるんだよ」ということを知ってもらいたいです。そして、海外の取材先とNPO法人ボウタカが連携してもらえるように仲介役となり、高校生や大学生世代のボウルターにNPO法人ボウタカを通して留学に行ける環境を整えたいと思っています。海外に行ける選手たちを増やすことが、最終的な目標です。

米原さん:大きく二つの目標があります。

みんなのポールの写真

一つ目は、現在約45本が稼働している「みんなのポール」事業を、300本まで増やすことです。

アメリカで行われている棒高跳サミットの写真

二つ目は、アメリカで行われている棒高跳サミットの日本版を開催することです。このサミットは選手や指導者が全米から集まって、2日間に渡り、棒高跳について勉強したり交流したり、試合を行うイベントとなっています。実は、日本での棒高跳サミットはまもなく実現しそうです。まずはこの2つを実現することが大きな目標です。

 

6.伝えたいこと

米原さん:色々なテーマに対して、法人を作ってチャレンジすることは面白い経験です。NPO法人の事業ついて、「社会にとって有意義なことだけをやっている」という、やや高尚なイメージを持っている人もいると思います。もう少しフラットに「誰かのためになることに挑戦する」そんな個人や団体の想いが集まった組織であることを知ってほしいです。その中でも、自分たち(NPO法人ボウタカ)は、棒高跳をテーマに様々な場所で色々なことをやっている、比較的に自由度の高い組織です。「スポーツで人に笑顔を届けたい」「スポーツで人と何かにチャレンジしたい」「日本という大きな範囲に影響を与えたい」という人にとってはいい場所かもしれません。いつでもご連絡ください!

 

酒井さん:学生のうちにNPO法人ボウタカでの、経験をできたのはすごくいい機会だと思っています。そのため学生というブランドがあるうちに、色々な大人と関わって社会貢献活動をすることは自分にとって絶対にプラスの経験になると思うので、ぜひ挑戦してみてください!

 

7.おわりに

インタビューは以上となります。

米原さん、酒井さん、インタビューへのご協力ありがとうございました!

 

棒高跳とNPO法人ボウタカでの活動の楽しさを、感じることができました。この記事を通して、スポーツに関係するNPO法人の活動について、少しでも興味を深めていただければ幸いです。スポーツが好きな方はぜひ、興味をもった活動に参加してみてください!

 

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