KEIO 2020 project代表の杉山さんへのインタビュー
◆はじめに
こんにちは、JAVOで高校生インタビュアーとして活動している能美です!
皆さんは東京オリンピック・パラリンピック2020を覚えていますか?
残念ながらコロナ禍の影響で2021年夏に延期となっての開催でしたが、続けて行われた冬季北京オリンピックもあり、記憶に新しい方が多いのではないでしょうか。
さて、今回インタビューさせて頂いたのは、その東京オリンピックにもボランティアとして携わった慶應大学の杉山さんです。こちらの杉山さんは、他にも地方のスポーツ大会の運営等にも関わっている、スポーツボランティアに強い情熱を持つ大学生!
そんな方のボランティアにかける情熱や活動の魅力など、お伺いした沢山のお話を記事としてご紹介していきます!
◆『KEIO 2020 project』 での活動
まず最初に、杉山さんが所属する『KEIO 2020 project』についてご紹介します。
こちらは慶應にて、東京オリンピック・パラリンピックに参加する各国選手団と、事前キャンプで滞在する英国選手団を支えるためのボランティア組織だそうです!その他にも並列してボランティア活動を運営していて、多い時は団体内でも20個近くの活動に関わっているとか…!?
地域と大学の二本軸の連携で、杉山さん曰く「ボランティアよりも学生団体に近いイメージ」だそう。
ここで早速気になることを質問!ズバリ、スポーツボランティアって何をやるの?です。
教えて頂いた話によると、ボランティアの中でも活動は二種類に分けられるとのこと。その一つは運営スタッフ、もう一つは当日ボランティアです。
それぞれの役割はこんな感じ⤵︎ ⤵︎
運営スタッフ:イベント開催前の準備からイベント終了後の対応まで全てに関わる。オペレーションを考え、よりイベントを盛り上げる。
当日ボランティア:イベント当日に参加し、会場での準備や運営を手伝う。
なるほど、スポーツボランティアといっても人によって仕事の幅が広いようです。杉山さんは中でも運営側として活動することにこだわりがあるらしいですよ!今回の英国選手団との交流でも杉山さんは運営側で協力したそうです。
◆活動のきっかけ
さてさて、そうなると気になってくるのが、どうしてこの活動を始めたのか。勿論これもお伺いしましたよ。
杉山さんが慶應大学に入学した当初から、この『KEIO 2020 project』は立ち上がっていたそう。当時の杉山さんは実は文化祭運営の方に興味が有りましたが、新しいプロジェクトとしての新鮮さと国際交流ができる点に魅力を感じ、これに参加したのだとか。
元々この団体はスポーツ・地域・国際性の三つを主軸に活動していましたが、参加したばかりの頃はこれが完全には理解できなかったとのこと。しかし実際に活動し参加者の方にお話を聞くうちに、少しずつその面白さと意義を理解していきました。
国際交流への興味が、杉山さんをボランティアの世界へ導いたんですね!これまで私もいくつかのインタビューに立ち会わせて頂きましたが、多くの方がきっかけはちょっとした興味や、生活で感じた些細なことだと仰っていました。踏み出す勇気で世界が変わるのかも…?
◆活動していて大変だったこと
次に気になるのはこれまでどんなことがあったのか。ボラ
ンティアといえど歴とした活動ですから、一筋縄では行かないことも少なくないようで……。
今回の英国選手団との交流で、杉山さんにとって最も大変だったこと…それは信頼関係の構築!
言語の壁も確かにあるけど、それよりも信頼関係の構築の方が余程大変だったそう。まさかの言葉の壁すら超える問題、意外ですね。
今回の目的は、英国選手団が日本に入った時に最大限リラックスし、ほっとできる環境を作ることなのだそう。スポーツ選手が四年間の全てを懸けて挑む試合に、理想のコンディションで挑めるようサポートすることが重要だと杉山さんは語ります。
試合前の重圧に上乗せするようにコロナ禍の緊張感もあるので、その中で心地よい空間を作ることは至難の業です。杉山さん達ボランティアの方々は、選手にどうにかリラックスしてもらえるよう接し方にはできる限り気を配り、日本の遊びを紹介するなどして徐々に信頼を築いていったのです。
その時に紹介した遊びというのが「トントン相撲」。遊びによって体を動かすことで選手に楽しんでもらい、それと同時に落ち着いてもらうことができたようです。
この経験によって杉山さんの考えにも変化が。ボランティアというただでさえお金を貰うことなく活動する仕事の中で、どうやって人との距離を詰めていくか非常に勉強になった。言語も立場も違う相手との交流によって、地方で初めて会う方とのコミュニケーションも重視するようになったと仰っていました。
人間同士のコミュニケーションに何かコツはありますか?と質問させて頂いたところ、「人との話を楽しむことが重要」と教えて頂きました!
◆印象に残っている出来事
打って変わって次にお聞きしたのは、何か嬉しかったことなどで印象に残
っていることはありますか?です。
ここでお伺いした話でも、オリンピック・パラリンピックの英国選手団の方々との思い出が出てきました。
選手の方々は7月から9月までの間日本に滞在されるらしく、その最後の選手団が出ていく日、英国パラリンピック選手団の統括の方からお声をかけて頂いたそう。そこで伝えられたのがこれまでの感謝と、「あなた達は英国選手団の一員です」という言葉。これにボランティアのメンバーは感動し、杉山さんも同じく非常に嬉しかったとの事です。
コロナで延期された分、非常に長い間活動されていたボランティアの方々は、その一言でこれまでの努力が報われたんですね。こういった体験がボランティア参加者の次の活動への意欲となっているようです。
◆ボランティアを続けるモチベーション
ここで杉山さんがボランティア活動を続けていくモチベーションについてもお伺いしました。
杉山さん「スポーツボランティアというのは、一つが終わってもまだ先があります。そして、活動の先で見えてくる世界も沢山あります。こういった途切れない刺激があるからこそまたやろうと思えます。例え失敗したとしても、そういう失敗談が後で役に立つし、聞いていると面白いですから(笑)」
とお言葉を頂きました!確かに、スポーツで繋がった人の縁がまた刺激を運んできてくれるというのは素晴らしい魅力ですね!
◆今後の展望
インタビューもついに終盤に差し掛かってきました。ここまでボランティア活動とその影響について聞いてきましたが、今度はこれからの活動の展望についてです。
今後ボランティア活動でチャレンジしたいこと、またはこうしていきたい等はありますか?と伺うと…
何かスポーツボランティアの本質のようなものを追求していきたいと思っている。英国選手団とこうして関わるのは一回限り。今後地域や個人と選手達が繋がっていくかはまだ分からない。しかし選手団側からは「慶應義塾に行きたい!」との声も頂いている。だからこそ、そういった形で持続的に交流していけるような、先がある、終わらない活動というのを目指したい。新しいことに挑戦する時はいつもそれを念頭に置いて動きたい。
というお話を聞くことが出来ました。これから先、私たちの次の世代に引き継げるボランティアネットワークの構築、JAVOでもそんな活動を目指していきたいです!
◆活動のゴール
ついに最後の質問です。杉山さん個人が目指すスポーツボランティアのゴールとは何か、お聞きしました。
一つは楽しいことを楽しく行うこと。ボランティアを通して自己実現をして、より深く活動の本質を捉えることだそうです。
二つ目に人間力を鍛えること。運営という立場にいるからこそ、活動に携わる人数が多くなるほど自分の人間的な部分がよく周りに見られるから。リーダーとしてより相応しくあろうという思いがひしひしと伝わってきますね!
そして3つ目が、世の中を俯瞰的に見ること。オリンピックの延期など、コロナには散々振り回されたそう。そんな中でも『KEIO 2020 project』の活動に参加してくれた人達のおかげで、ボランティアという行動自体が架け橋となり、世の中の動きをよく知ることが出来た。これからもそういった俯瞰の目を養っていきたいと思っているそうです。
この三つのゴールが杉山さんの目指すスポーツボランティアとそのネットワークの構築に繋がるんですね!
◆まとめ
以上で今回のインタビューは全てとなります。杉山さんのお話を聞いて、皆さんはどう感じましたか?
私は運動神経が良くないので、スポーツボランティア自体に抵抗を感じていたのですが、今回のお話で勇気が出ました。もしも少しでも興味を持ったなら、まずは地域の活動でもいいので参加してみましょう!行動がマインドを変え、より刺激的な日常をもたらしてくれますよ!
インタビューに協力してくださった杉山さん、慶應義塾体育研究所の方々、有難うございました!
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